わたし の 美しい 庭。 『わたしの美しい庭』の感想、レビュー(Rokoさんの書評)【本が好き!】

「わたしの美しい庭」感想|糸|note

わたし の 美しい 庭

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凪良さんよりメッセージ

わたし の 美しい 庭

このところ読書に熱が入り他の方のnoteを読む時間が減っています。 私のnoteを読んでくださっている方には大変申し訳ないです。 積み上げられた本が次々と減っていく快感に酔っているかもしれません(苦笑)」 今日読み終えたのは、今年の春本屋大賞を受賞した「流浪の月」の著者凪良ゆう氏の作品です。 本屋大賞受賞作品はちょっと怖い感じの内容でしたが、今回の作品の設定も少し突拍子もないところもありますが、現代社会の問題点をやんわりとついた佳作です。 統理と小学生の百音はふたり暮らしだが、血はつながっていない。 朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。 三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、地元の人からは『屋上神社』などと呼ばれている。 (「BOOK」データベースより) 血縁が強いと考えられていた日本という国はすでに昔のことで、現代社会において血縁関係はとても脆くなっています。 日本においても離婚率、片親世帯の増加は驚く話題でもなくなりました。 また性に関することもかなりオープンになてきています。 それでもその中で落とし込まれた子どもたちや、自己と家族との認識の違いに苦しむ人がなくなったわけでないでしょう。 そんな生きづらさを明るいタッチで描くのが著者の持ち味といえるようです。 賞を取ったとしても前作をどうも受け入れられなかった方に、本作を読んでみていただきたい、そう思えた作品でした。

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わたしの美しい庭(44

わたし の 美しい 庭

『わたしの美しい庭』ポプラ社 凪良ゆう/著 10歳の百音(もね)と、百音の育ての父の統理。 ふたりが住むマンションの隣の部屋に住む親友の路有(ろう)。 三人が暮らすマンションの屋上には庭園があり、悪縁を断ち切ると言われている神さまが祀られている。 一角には花々がうつくしく咲き誇る庭があって、晴れた日には、そこでお茶をすることもある。 通称、縁切りマンション。 宮司である統理が浄め、守るこの場所は、みなが暮らす大切な場所でもある。 三人で朝食をとるのは、いつもの朝の風景だ。 朝食をつくるのは、移動式バーでの仕事を終えた路有の役目。 おにぎりとオムレツ、トマトサラダと具だくさんのみそしる。 そして、一片のバタートースト。 これから一日がはじまる人と、眠りにつく人の時間が交差する、かけがえのない時間。 三人に血のつながりはないけれど、もっと揺るぎないものでつながった、三人のいつもの朝。 百音は、かつての統理の奥さんが再婚し、その相手との間にできた子どもだ。 しかし、百音が五歳のとき、両親は交通事故に遭ってしまい、天涯孤独になった。 このままだと養護施設行きだった百音を引き取ったのが、統理だった。 もちろん、百音と統理に血のつながりはない。 そのことをとやかく言う人もいたし、虐待を心配する人もいた。 けれど、ちいさな百音と若き日の統理は、これから「家族」になろうと約束したのだ。 ふたりにしか築けない形の家族を作っていこうと、指切りをしたのだ。 路有と統理が出会ったのは高校生のとき。 路有は女性に興味を持てない自分に気づき、人知れず悩んでいた。 違和感と焦燥感。 友人にも、家族にも打ち明けられなかった。 けれど、ある日の友人たちとの猥談に一瞬、言葉がつまってしまった。 友人が軽く放った「ホモかよ」の一言も受け流せず、部屋まで飛び出した。 今まで隠してきたものが、一瞬にして暴かれた瞬間だった。 友人たちは、路有から離れていった。 けれど、統理だけは今までと変わらず友だちでいてくれた。 さらに、それから数年経ったころ。 共に生きていくはずだった同性の恋人が女性と結婚することになったとき、心身ともに、ぺしゃんこになった路有を助け、世話をしたのは「家族」になった統理と、ちいさな百音だった。 桃子は、幼いころから縁切りマンションに家族と暮らしていて、40歳を目前にしている。 お局になってしまった職場で若い職員に、煙たがられているのは知っている。 でも、かつては先輩たちがしてくれていた役割が、今では自分に回ってきただけなのだ。 ストレス解消は、宝くじを買って壮大な妄想するというささやかなものだけれど、こんな人生に満足してもいる。 でも、本当はこころの片隅に棲みついて剥がれない記憶がある。 かつて同じマンションに暮らしていた高校時代の恋人のこと。 彼と過ごした夢のような時間。 けれど、彼に触れることは、もうできない。 彼は、花火を見に行こうと約束していた夜に、交通事故で亡くなってしまった。 基(もとい)は桃子が忘れられずにいるかつての恋人の弟で、東京での過酷な勤務から、うつ病を患い地元に帰ってきている。 なかなか回復しない病状に焦る日々。 そんなとき、治療のために訪れた病院で働く桃子と、数年ぶりに再会した。 互いに、その存在を覚えていたが、深く言葉を交わすことはなかった。 しかし、久しぶりに訪れた兄のお墓で、二人はまた、ばったり出くわした。 桃子と兄と、幼き日の自分の思い出。 昔は知りえなかった桃子の魅力。 よみがえり、あらたに沸き起こる気持ち。 バリバリと働き、恋人だって残してきた街がある。 けれど、焦る気持ちとは裏腹に、こころと体は別々の方向を向き、明るい方向へ歩き出すことができない。 そもそも、元の自分、に本当に戻りたいのかどうかも分からなくなっている。 今も縁切りマンションに暮らす人。 かつて縁切りマンションに住んでいた人。 各章の主人公たちは交差し、ゆるやかにつながっている。 みんなの傷が、痛い。 みんなの心が痛むように、私のこころまでもが痛い。 でも、傷ついたその姿から目を背けることができない。 やさしく抱きしめてあげたいとすら思う。 私は、私自身の傷こそ、抱きしめてあげたいのだと、ふと気づく。 誰の身にも、悲しいことやつらいことなんて起きなければいい。 でも、時には容赦なく、避けられるような猶予も与えず、降りかかってくる。 今まで私は、そんなことが降りかかってくるなんて、本当に不幸なことなのだと思っていた。 不幸で惨めで、早くこの暗い場所から抜け出せるよう、震えるような心持ちで奇跡が起こるのを願っていた。 でも、気づいたのだ。 もう手放せなくなってしまった何かを大切に抱え、傷ついてないよって笑ってみたり、零れた涙すらぬぐえなかったりする、不器用な人たちのことが、だいすきだと。 だから、私も。 矛盾も葛藤も迷いも抱えたまま、生きていく。 傷ついたこころは、このままでいい。 こんな私でも、目を見開き、背筋を伸ばすことはできる。 未来の方向に、希望の光を見出すことだってできる。 いとしき人たちは、きっとこんな風に生きているから。 わたしも。 『わたしの美しい庭』ポプラ社 凪良ゆう/著.

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