ピアジェ の 発達 段階。 心理学用語解説:認知発達論【ピアジェの4段階説】|サイエンス.COM

ジャン・ピアジェの考えた4つの発達段階(再)

ピアジェ の 発達 段階

ピアジェの理論(詳しくは「を参照」は、児童期の認知発達(知的発達面)に対し、革命的な考えで知的発展を導くものであったが、その後、他の新しい研究、検証により、子供の能力を過小評価しているとされた。 発達段階理論を検証する課題の多くは、注意、記憶、特定の事実的知識がと言ったものが必要とされる。 子供は実際それらの検査で必要な能力を持っていたとしても、その課題に失敗するのは、それ以外の必要な、しかし、直接関係しない技能の何かが不足しているためであると推察されている。 対象物の永続性で考えてみると、「乳児は示されたおもちゃを見ている最中に、何がで覆い隠し見えなくすると、もはや何も存在しないかのように振る舞い、おもちゃを探そうとしない」このことを完全に検証するには、対象物が存在し続けるという理解だけでなく、どこにその対象物が隠されているかを記憶し、また、その対象物を探しているという何らかの身体的行為を示すことが必要となる。 ピアジェの理論では、認知発達の初期段階は感覚運動活動に依存すると考えていたので、乳児がその対象物が依然と存在することを理解していても、探す行為を介してそのことを表現することは出来ないという可能性を取り立てて考慮しなかった。 そして、この可能性については、子供を積極的に隠されたものを探し求めることを要求しない研究により検証された。 この装置は下図のように、つい立ての端がテーブルの上に固定され、最初は、つい立てがテーブル上に平らになった状態にあり、子供が見ている間、つい立はゆっくりと子供から遠ざかるように回転し、完全に180度回になるまで回転し続け、つい立は再び平らな状態になる。 それから、つい立は反対方向、つまり子供に向かって回転し始めるというものであった。 乳児は、はじめのうちはこの回転するつい立を見せられたと、ほとんどその一部始終を見つめていた。 しかし、何回か繰り返されると、それに対する興味を速やかに失い、それ以外の別の物に注意を向けるようになった。 この時点で、色鮮やかな過去がテーブルの上に出現する。 その箱は、ちょうどつい立が90度に達したとき、つい立に隠れてしまう位置にあった(実際に子供がみているのは、投影された箱の像であり、実物の箱ではない)。 図に示すように、可能事態か不可能事態かのいずれかが示された。 乳児のある一群には、つい立が最初の状態からちょうど箱にぶつかるところまで回転し、この時点でつい立は動きを止め、そして元の状態に戻ってくる事態が示された。 もう一つの別の群には、つい立が90度の位置まで回転するが、その後も回転し続け、まるでそこに箱が存在しないかのように反対側の180度の位置まで回転する事態が示された。 研究者が考えたことは、もし乳児がつい立で隠されても、箱は依然として存在すると思っているなら、つい立てが箱をあたかもすり抜けてしまうように見える不可能な事態になった場合、驚くに違いない。 つまり、つい立が箱にぶつかり、また元の最初の位置に戻る事態よりも、不可能な事態を長く注視するはずだと推理した。 この実験の乳児がわずか4か月半であったことは、対象物の永続性が、ピアジェ理論の予想する年齢より4~5か月も早く見られたことになる。 ピアジェの保存課題を扱った最近の研究においても同様に、ピアジェ理論が予想するよりも早い段階で、子どもたちの心的能力は発達していることが明らかとなっている。 数の保存を扱った研究では、二組のおもちゃが一対一に対応するように並べられた。 そして実験者は「これは君の兵士、そしてこっちのほうは私の兵士。 私の兵士と君の兵士とどちらがたくさんいるかな。 それとも同じかな」と尋ねた。 子どもがこの質問に正しく答えられた後、実験者は一方の列のおもちゃを広げて、また同じ質問を繰り返した。 ピアジェの報告したように、5歳の幼児は保存に失敗し、広げたほうの列が多いと答えた。 実験者は、次に二つめの条件を導入した。 おもちゃの個々の兵士として表現するのではなく、「これは私の軍隊、こちらにあるのは君の軍隊。 どっちが多いかな、君の軍隊かな。 それとも両方とも同じかな」と単純に表現を変えただけで、ほとんどの幼児は数の 保存 conservation を示した。 たとえ一方が広く並べたとしても二つの「軍隊」はまったく同じ大きさであると判断した。 子どもたちは、示された事象を個々の単なるものというのではなく、一つの集合あるいはまとまりとして理解できるように手助けすることで、同じだと判断した。 等価の判断は、見かけ上の無関係な変化による影響をほとんど受けることはないといえる(Markman,1979)。 さらにまた、具体的操作段階の思考の発達に影響を及ぼすさまざまな要因を確認した研究もある。 これらの研究けっかは、具体的操作段階の推理が児童期の半ばで現れる普遍的な発達段階ではなく、文化的な状況や就学による産物であり、特殊な言い回しの質問や教示に依存していることを示唆している。

次の

児童期の認知発達2

ピアジェ の 発達 段階

送る 心理学者ジャン・ピアジェ (1896~1980)をご存知ですか? スイスで生まれ育った彼は、生涯に50冊以上の本と500本以上の論文を著し、多くの学者に影響を与えた人物です。 心の発達を研究する「発達心理学(developmental psychology)」の分野で大きな功績を残し、その理論は今や世界中で知られています。 大学で教職課程を修めた人なら、教育心理学の授業で習ったかもしれませんね。 ピアジェが唱えた「発生的認識論(genetic epistemology)」は、学校の教員だけでなく、看護師や保育士を目指す人たちにも学ばれています。 その理由は、子どもが心身をどのように成長させていくかを知ることにより、子どもの発達を支援しやすくなるから。 子ども特有の言動に対して「どうしてそんなことするの?」とイライラせず、その意図を理解して適切に指導することができるようになるのです。 さて、ピアジェの理論を役立てることができるのは、教師や保育士だけではありません。 たとえば、親の意図しない行動を子どもがとったとしても、「この子はこうやって周りの世界を認識し、成長していくんだ」「大人が持っているような能力を、まだ獲得していないんだ」と納得し、肯定的に捉えることができるでしょう。 そこで今回は、心理学者ピアジェの唱えた理論のエッセンスを、できるだけ分かりやすくご紹介しますね。 心理学者ピアジェの人物像 ジャン・ピアジェは1896年、フランスとの国境に近い、スイスのヌーシャテルという街で生まれました。 父親のアルトゥールは歴史学と文献学を修め、ヌーシャテル大学では文学教授でした。 ピアジェはアカデミックな家庭で育ったといえます。 ピアジェは最初、生物学に興味を持っていました。 認識の発達に関する研究者の集まりである「ジャン・ピアジェ協会」によると、ピアジェは11歳のとき、白スズメについて短い論文を書いたそう。 これが研究者としてのキャリアの始まりです。 その後、ピアジェは研究を進めて軟体動物の研究で博士号を取得しました。 ピアジェは精神分析学に関心を持つようになり、フランスで心理学を学びます。 そして1921年、ジュネーヴにあるジャン=ジャック・ルソー教育研究所の所長として招かれ、教育学・児童心理学の研究を進めました。 彼は複数の大学で心理学や社会学などを教えつつ、1955年に発生的認識論国際センターを立ち上げ、1980年に亡くなるまでセンター長として研究を続けました。 私生活においては、1923年に結婚。 3人の子どもに恵まれ、彼らの知的発達を観察したそうです。 ピアジェの「発生的認識論」とは 応用言語学を専門にする大澤真也教授(広島修道大学)によると、ピアジェの発生的認識論において重要な概念のひとつが「段階的発達」だそう。 大澤教授は以下のように説明しています。 これは成人としての最終的な段階に達する前に、子どもは感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の4つの段階を経るというものである。 発達の速さや達成度合いには個人差があるが、どのような環境であるかにかかわらず子どもはこれら4つの段階を普遍的な順序で経験していくと考えられている。 (引用元:CiNii|) では、子どもの知的発達における4つの段階を順に見ていきましょう。 感覚運動期(sensorimotor stage)(0~2歳) この段階の特徴は、「循環反応(circular response)」および「対象の永続性(object permanence)」だそう。 ブリタニカ国際大百科事典によると、循環反応とは「反応した結果が再び刺激となって同一あるいは類似の反応が反復されること」。 たとえば、ふと何かを触ってみたら感触が面白かったので、何度も触ってみる、といったことです。 次に、対象の永続性について。 たとえば、生まれてまもない子どもの眼前におもちゃがあったとして、大人がそれに布をかぶせて見えなくしてしまうと、子どもはおもちゃがなくなったと思ってしまいます。 しかし、感覚運動期の後半には、布をかぶせられて視界から消えても、子どもはおもちゃがまだそこにあると認識できるようになります。 これが、対象の永続性を理解しているということです。 なおピアジェは、この段階で赤ちゃんの「模倣行動(imitative behavior)」が発達すると論じました。 乳児心理学を専門とする大藪泰教授(早稲田大学)によれば、ピアジェの理論における模倣行動の発展水準は以下の3つに分類されます。 - 手の運動と発声の模倣期(~生後8カ月頃) 自分が見たり聞いたりできる、自分と相手の動作・発声のみを模倣できる。 - 顔の模倣期(生後8カ月~12カ月頃) 前段階と異なり、見ることのできない自分の表情を、相手の表情に近づけることができる。 - 延滞模倣期(生後18カ月~) 相手の動作を記憶し、あとから模倣できる。 前操作期(pre-operational stage)(2~7歳) この段階の特徴は「自己中心性(egocentrism)」と「中心化(centration)」だそう。 大澤教授によると、自己中心性とは「世界を主観的な視点からしか見ることができないこと」。 相手の立場で想像することができず、たとえば自分の知っていることは当然相手も知っているだろうと思い込んでしまうそうです。 また、中心化とは、ブリタニカ国際大百科事典によれば「対象のうち最も目立つ側面だけに注意を集中して、それ以外の部分を無視すること」。 たとえば、口径の広いビーカーに水が入っているとして、それを子どもの眼前で細長いビーカーに移し替えます。 すると、子どもは高くなった水面ばかりに意識が向き、水の量が増えたと思い込んでしまいます。 この思い込みは、中心化という特性によるものです。 また、前操作期の子どもがどう世界を認識するかについて、重要なキーワードが「実念論(realism)」「アニミズム(animism)」「人工論(artificialism)」の3つです。 自分が小さい頃を振り返ってみると、覚えがあるのではないでしょうか。 - 実念論:自分のものの見方が絶対的だと思い込む。 - アニミズム:非生物にも人間のような思考や感情があると思い込む。 - 人工論:自然物も人間が作ったと思い込む。 なお、前操作期はさらに、2~4歳を「象徴的思考期(symbolic function substage)」、4~7歳を「直観的思考期(intuitive thought substage)」と分けることができます。 象徴的思考期の子どもは、もののイメージを作り上げて頭のなかに保存し、あとで取り出して使うことができるようになります、つまり、目の前にないものを思い出し、絵に描いたりすることが可能なのです。 また、直観的思考期の子どもは、経験したことのない状況を説明するとき、絵本のような空想ではなく理性を用いるようになるそう。 たとえば、「家が地面から生えてきた」ではなく、「人間が材料を組み合わせて家を建てた」と言うようになります。 具体的操作期(concrete operational stage)(7~11歳) 英マンチェスター大学で心理学を教えているソール・マクロード氏によると、子どもはこの段階から論理的思考を獲得しはじめるそう。 しかし、抽象的なことや仮定についてはまだうまく考えられず、「みかん」や「机」のように具体的なものにのみ論理を当てはめることができます。 この段階で重要なのは、子どもが「保存(conservation)」の概念を理解できるようになることです。 つまり、容器に入った液体を別の容器に移し替えるなどして、ものの見た目が変わっても、ものの量や数が変わるわけではないことが分かるようになります。 たとえば、10個のおはじきを横1列に並べるとします。 子どもと数を確認したあと、おはじきを円状に並び替えます。 その上で子どもにおはじきの数を質問し、数えるまでもなく「10個」と答えられたなら、「数の保存」という概念を獲得しているのです。 形式的操作期(formal operational stage)(11歳〜) この段階になると、抽象的なものや仮定についても考えられるようになります。 マクロード氏によると、子どもが形式的操作期に入ったかどうかを確かめるには、「ケリーはアリーより背が高く、アリーはジョーより背が高いとしたら、身長がいちばん高いのは誰かな?」のような質問をするとよいそうです。 形式的操作期にいる子どもは、頭のなかだけで考えて答えを出すことができます。 一方、絵を描かないと分からない子どもは、まだ具体的操作期にいるのだそうです。 ピアジェの「構成論」とは ピアジェの理論が説明されるとき、しばしば「構成論(constructivism)」あるいは「構成主義」という言葉が使われます。 「~論」「~主義」という響きは、学術的で難しく聞こえるかもしれません。 簡単にご説明します。 まず、構成主義の反対は「実証主義(positivism)」です。 学習環境デザインを専門とする久保田賢一教授(関西大学)によると、実証主義の特徴は以下の通り。 実証主義の見方では、<現実>は人と独立して世界に実在している。 (中略)そして見つけ出した<現実>を<こころ>に正確に写し取ったものが「知識」であると考えられている。 人の<こころ>は本来空っぽであり、世界に実在する<現実>を<こころ>にコピーすることが学習であり、それを蓄積することで学習が進むと見なされる。 (引用元:J-Stage|) 一方、構成主義の特徴は以下の通りです。 構成主義では、<現実>は人が世界と交わることで構成されると考える。 つまり、人と独立した<現実>は存在しない。 (中略)「知る」とは、人がその<こころ>の中で世界をつくり出す過程に他ならず、その意味でも私たちの住んでいる世界は自分自身によりつくり出されたものである。 (引用元:同上) 教育の場において、実証主義と構成主義の違いははっきりと現れます。 実証主義の場合、教師の役割は、生徒の心に情報を「書き写す」ことです。 教師が生徒に問いを投げかけ、生徒が応答し、それに教師がフィードバックを与える。 この流れを繰り返すことで授業が進みます。 そのため、学習において生徒は受け身の存在だといえます。 一方で構成主義の場合、生徒は「積極的に意味を見つけ出すために主体的に世界と関わる存在」です。 そのため、学習とは「学習者自身が知識を構成していく過程」であり、「共同体の中での相互作用」を通じて行われるものだとされます。 つまり、生徒が能動的に学習できるようにするのが、構成主義的な教育です。 ピアジェの発生的認識論は、子どもが自分のなかで発達段階を形成していくのだと主張しているため、構成主義的な立場をとっているといえます。 なお、発達心理学を専門とする佐藤公治教授(北海道文教大学)によると、ピアジェの「相互作用説(interactivism)」においては、大人との相互作用(互いに働きかけ、影響を及ぼすこと)よりも年齢の近い子ども同士の相互作用が重視されています。 「同じような発達段階にあって、かつ自分とはやや異なった視点や認識の仕方をしている仲間」とメッセージをやりとりすることで「認知的葛藤(cognitive conflict)」が生まれるそう。 発達心理学を研究する林昭志氏(上田女子短期大学)によると、認知的葛藤とは、「いくつかの両立しがたい情報に接したときに、生ずる疑問、当惑、矛盾、驚きのことであり、すでにもっている既有知識と新しい知識の間に一定のずれがある場合に生ずるもの」。 認知的葛藤によって知的好奇心が発生し、物事をよりよく認識できるようになるそうです。 つまり、ピアジェの理論においては、子ども同士のコミュニケーションが認知発達に及ぼす影響が重視されているのです。 ピアジェ理論における「道徳」 ピアジェは、子どもの道徳観にも2つの発達段階があると主張しました。 - 他律的道徳観(5~9歳)(heteronomous morality) この段階の子どもは、道徳とは他人の作ったルールや法律に従うことで、それらは絶対に変えられないものだと思っています。 そして、ルールを破ると厳しい罰を受けなければならないと信じています。 他律的道徳観の特徴のひとつは、行動の意図よりも結果を重視して善悪を判断すること。 たとえば、親が掃除するのを手伝おうと思い、洗剤を大量にこぼしてしまったAちゃんと、洗剤で遊んでいたら少しだけこぼしてしまったBちゃんがいるとします。 他律的道徳観の段階にいる子どもに、どちらがより悪いか尋ねると、Aちゃんが悪いと答えるのです。 - 自律的道徳観(9~10歳)(autonomous morality) この段階の子どもが持つ道徳観は、自分自身のなかにあるルールに左右されるようになります。 また、自律的道徳観の段階にいる子どもは、絶対的な善悪は存在しないことを理解し、他人の視点からも考えられるようになるそう。 他人の意図や状況も考慮に入れ、ルールや道義的責任、罰などについての判断力が大人に近づくのです。 この段階の子どもは、行動の結果だけでなく意図も考慮して判断するようになるため、上記の質問ではBちゃんが悪いと答えるのが一般的だそうです。 2人の心理学者:ピアジェとヴィゴツキーとの違い ピアジェの理論を語る際、よく比較されるのがソビエト連邦の心理学者レフ・ヴィゴツキー(1896~1934)。 ヴィゴツキーは、いまや教育学を中心とした幅広い分野で知られている「発達の最近接領域(Zone of Proximal Development : ZPD)」を提唱したことで有名です。 看護学を専門とする島田智織教授(茨城県立医療大学)および江守陽子教授(岩手保健医療大学)は、ZPDを以下のように説明しています。 ZPDとは、すでに自分ひとりでできる活動と、今は他者の力を借りることで乗り越えられる領域のズレを指す。 このズレは、明日にはじぶんひとりでできるようになるという発達可能性を有した領域である。 端的に表現すると発達ののびしろということになるだろう。 ズレを解消しつつZPDを拡張していくことが学習者の発達だということになる。 (引用元:茨城県立医療大学|) さて、ピアジェの理論とヴィゴツキーの理論の大きな違いのひとつは、上述した「相互作用」についての考え方です。 ピアジェは、子どもの認知発達の過程において、大人との相互作用より子ども同士の相互作用を重視しました。 子どもは友だちとの対話を通し、自分とは異なる考えに触れることで、認知的葛藤を抱えます。 その葛藤を解決することにより子どもの認知が発達する、というのがピアジェの考えです。 つまり、相互作用というのは認知発達のきっかけでしかなく、相互作用が認知発達に直接の影響を及ぼしているわけではないのです。 一方、ヴィゴツキーの理論では、相互作用が子どもの認知発達に直接影響していると考えられています。 佐藤教授の言葉を借りれば、相互作用とは「新しい知識の形成のための情報を提供する場」。 そのため、相互作用の相手としては、子どもに新しい情報をもたらせるような大人・年長者が重視されます。 また、大澤教授の言葉では、ピアジェの理論において「子どもは自分自身で知識を作り上げていかなければならない」のに対し、ヴィゴツキーの理論における子どもは「 ZPDにおいて他人の助けを必要」としており、「最初は他人の助けを借りなければタスクを遂行することができない」ものの、やがて「自分の力で遂行できるようになる」のです。 ピアジェ教育とは ここまで見てきたように、ピアジェの提唱した理論は、さまざまな分野に影響を及ぼしています。 なかでも、ピアジェの考えを特に意識した教育は「ピアジェ教育」と呼ばれています。 愛知県で幼稚園・保育園を展開している学校法人・聖英学園は、同学園の特徴のひとつとしてピアジェ教育を掲げています。 同学園によると、ピアジェ教育とは以下のような教育です。 先生に教えられるのではなく、子どもがあそびの中で自分から働きかけ、その環境の手応えを感じ取り、豊かな刺激を受け取ることによって、子どもは自分自身を発達させていく創造的教育をピアジェ教育といいます。 ピアジェ教育は知識を身に付ける教育ではなく、知恵を出せる子どもを育てる教育です。 (引用元:学校法人 聖英学園|) ピアジェによって監修された教材を用いて幼児教育を行うことが「ピアジェ教育」と呼ばれることもあります。 ピアジェの理論を取り入れた教材を開発・販売している幼年教育出版株式会社は、ピアジェが直接監修した「世界唯一の教材」として「」を幼稚園・保育園向けに提供しています。 ピアジェ理論における発達段階に基づき、子どもが楽しみながら好奇心をもって取り組めるよう、体系的に構成されているそうです。 ピアジェを知るためにおすすめしたい本 ピアジェ自身についてもっとよく知りたい、ピアジェの理論をきちんと学びたいと思ったのなら、どれか一冊、本を通読してみるのがよいでしょう。 おすすめしたい書籍を2冊紹介します。 - ピアジェの理論のエッセンスを簡潔に説明するだけでなく、ピアジェの人物像や、ピアジェの理論がどのように受容されたかなどにも紙幅が割かれており、ピアジェについて全体的に知りたい人には最適の一冊です。 文体が丁寧で分かりやすいため、難解な専門書とは一線を画しています。 - ピアジェ自身による著書を訳したもの。 手にとりやすい文庫本です。 心理学だけでなく、哲学や数学の分野で論じている章もあり、一部は難解。 しかし、発達段階の部分だけでも、提唱者自身の言葉で読む価値はあります。 *** 子どもの発達について考えるなら、ぜひ知っておきたいピアジェの理論。 現代日本における保育や教育に大きな影響を及ぼしています。 親としても、ぜひ意識しておきたいものですね。 (参考) The Jean Piaget Society| CiNii| CiNii| コトバンク| コトバンク| Simply Psychology| Simply Psychology| Simply Psychology| Simply Psychology| J-Stage| J-Stage| MentalHelp. net| MentalHelp. net| Southwest Psychometrics and Psychology Resources| 北海道大学学術成果コレクション| 茨城県立医療大学| 学校法人 聖英学園| 学校法人 聖英学園| 幼年教育|.

次の

CiNii Articles

ピアジェ の 発達 段階

保育士試験には、必ずと言っていいほど科目「保育の心理学」で ピアジェが登場します。 発達理論について述べた学者です。 ピアジェ は年代によって違う認知の違いを分けた認知発達段階説について述べています。 発達心理にはかかせない理論です。 ここでは、ピアジェの認知発達段階説についてわかりやすく解説していきます。 ピアジェ:認知の発達を分類化した「認知発達段階」とは スイスの心理学者ジャン・ピアジェは、20世紀の心理学会において最も影響力があったひとりとも言われています。 画像引用: ピアジェが提唱したのは、認知発達段階説。 こどもは生まれたときから成長に伴って、認知力も発達していくことを唱えました。 各年齢によって4分類にされ、分類毎によって獲得する認知力が違います。 4段階目:形式的操作期(12歳~成人まで) 何もわからない生まれたばかりの赤ちゃんが、物を見たり、触れたりするなかで物事を理解していく。 例えばおもちゃをつかんで、離すとおもちゃが手から落ちる。 こうして人は、成長のなかで掴んで離すと「落ちる」ことを理解します。 このように、いろんなもの・こと・ひとに見て、触れて、体験し、知らなかったことを理解する「シェマ(認知の枠組み)」を獲得していきます。 ピアジェはこの認知力の獲得について、深く考察した心理学者です。 ひとはシェマの獲得を繰り返して認知力を高め、成人になるころには論理的思考や推測力、問題解決ができるようになります。 ピアジェが理論化した各段階について詳しく見ていきましょう。 赤ちゃんが感覚と運動からシェマを習得する段階です。 生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ頭のなかで「自分」と「自分以外」という概念がありません。 子どもは生後から2歳まで、いろんなものに触れたり、人と関わったり等の体験を通して、自分以外のすべてを把握していきます。 生まれて間もない赤ちゃんは、目に見えている視界のなかだけがすべて。 目の前にいた大好きなママが急にいなくなると、まるで一生会えなくなったかのように大泣きします。 これはまだ「対象の永続性」を獲得できていないからです。 「 対象の永続性」とは、目の前にいるものが、視界から見えなくなってもそこに存在はしている、という概念のこと。 生まれて間もない赤ちゃんは、目の前からママがいなくなると、まるでママが消えてしまったかのようにとらえて泣きわめきます。 シェマが拡大し認知力が高まると、目の前にいたママがトイレにいっても、ママがいなくなったわけではなく、違う場所にいることを理解できるようになります。 これが 対象の永続性を理解した状態です。 まだシェマが拡大していない赤ちゃんは対象の永続性が習得できていませんが、 0~2歳の「 感覚運動期」のあいだに習得できるようになるといわれています。 また、この時期は「表象能力(何かを思いうかべること)」も獲得できるようになるといわれています。 前操作期とは、 イメージや表象を用いて考えて行動したりできるようになる時期です。 ただし、まだ論理的・推測的な思考は乏しく、自己中心性(中心化)が抜けておらず、他人の視点から立った捉え方をすることはできません。 前操作期の特徴は、 自己中心性、保存性の未発達、アミニズム的思考です。 アミニズム的嗜好 アミニズム的嗜好とは、生き物ではないものも、生きているものと捉える状態のことです。 人形に名前を付けて世話をしたり、山が怒っていると表現したり、生き物でないものを生きているかのように捉える考え方です。 また、前操作期には象徴機能が発達し行動に現れる時期です。 象徴とは、置き換えられたもののこと。 象徴機能とは、現実ではないことを違うものに置き換える行動のことです。 例をあげるとごっこ遊び、ふり遊び、見立て遊び等があげられます。 このころには保存性の概念を習得し、論理的な思考ができるようになります。 自己中心性からも脱却し、相手の立場にたった考え方もできるようになります。 具体的操作期の特徴は、脱中心性・保存性の習得・アミニズムの克服、等。 物事を順序立てて考える論理的な思考は身についてきますが、物事を幅広くとらえて考えることはまだ苦手です。 保存性を習得する この年代になると、見た目だけで物事を判断していた前操作期と比べ、論理的な思考を身に着けるようになります。 物を動かして考えたり、数字を数えたりすることもでき、量や長さ、重さなども捉えることが出来るようになります。 前操作期では考えることが出来なかった比較や論理、例えば「黒のかばんは白のかばんより軽い。 赤のかばんは黒のかばんより重い。 それでは一番軽いかばんは何色のかばんですか?」といった、数字が関係する比較も考えられるようになります。 様々なものごとの概念を組み合わせて、考えることができるようになっていきます。 脱自己中心性 自分の視点からみた世界がすべてだった前操作期から、他人からの視点についても考えることができるようになります。 脱自己中心性をはかるための有名なテスト、「」があります。 大きさ、形が違う3つの山を、自分がいる以外の地点からみたとき、どのような風景になるのかを想定するテストです。 このテストはピアジェとインヘルダーによって考えられたものです。 4段階目:形式的操作期(12歳~成人まで) およそ中学入学から成人までの「思春期」にあたる年代、それが形式的操作期です。 この時期は、論理的思考に加え、抽象的思考もできるようになります。 高度な思考力を習得することで、推察や「もしこの場合だったらどうなるのか」など、仮定的な考えもできるようになります。 保育士国家試験:ピアジェで押さえておきたいポイント🖕 ピアジェの認知発達段階は、現代のこどもの教育課程にも大きく影響をきたしている理論のひとつ。 日本の教育機関では、子どもの年代に応じて変わるシェマに合う教育を行っていますね。 保育士国家試験にあたり、ピアジェに関して出される問題の特徴を紹介します。 認知発達段階全体を網羅しよう「ピアジェの考え」 保育士国家試験で出されるピアジェの問題は、認知発達段階に関することが中心。 ピアジェが展開した認知発達段階がどういった理論かを問われる問題が多いです。 認知発達段階は理解しているかを問われる傾向にあるので、丸暗記するよりニュアンスで覚えるほうが効果的。 自分の知っている子どもをイメージしながら、理解を深めていくほうが効果的でしょう。 ピアジェの認知発達段階をどれくらいしっかり覚えたらいい? 各段階の特徴と詳細は、カンタンに説明できるくらいになるのが目標。 国家試験対策にあたり、効率的に勉強するためには、何をどこまで理解するのか目標をさだめながら勉強することが大事です。 ピアジェの提唱した認知発達理論の各段階には、特徴があります。 この年代のこどもの、認知の特徴はなにかをカンタンに説明できるくらいにはなっておきましょう。 例えば、前操作期に起こる自己中心性とはなにか、具体的操作期に起こる保存性の習得とはどういったことか等、各段階に起こる特徴的なシェマについては問われやすいので、理解しておく必要があります。 保育士試験には、エリクソンの理論も必ず出題されます。 合わせて復習しておきましょう。

次の