涙 の 海 を 越え て ゆけ。 AKINO from bless4 海色 歌詞

涙の海、越えて

涙 の 海 を 越え て ゆけ

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涙の海、越えて

涙 の 海 を 越え て ゆけ

カチューシャは一人、薄暗い部屋の中、ベッドで膝を抱えてテレビを見ていた。 画面に映っているのは、U-23・アメリカ代表対日本代表の、戦車道国際親善試合。 プロ・大学生・高校生を問わず、選び抜かれた精鋭たち。 ……しかしながら、カチューシャはこの試合のメンバーから外れていた。 かつてのプラウダ高校元隊長、今はイズベスチヤ大学・戦車道科の中隊長であるカチューシャ。 強化指定選手でもある彼女が代表に選ばれなかった理由は……、能力的な問題ではなかった。 戦車側の、問題だった。 日本代表が使用する戦車は、大学選抜と同じく、M26パーシングやM24チャーフィー、そして、センチュリオン。 海外チームとの試合を、久しく行っていなかった日本戦車道連盟。 国際ルールに則った改造申請の手続きが、不慣れのために大幅に遅れた結果……時間切れとなった。 お言葉ですが今回の代表人数では難しいです。 それに、改造の認可さえ下りれば、次からは出られるのですから」 「ノンナっ! 私が居なくても大丈夫なの!? 中隊長のルミや車長の西の指示に従えるの? それに戦車だってチャーフィーなんだから。 慣れない戦車なのに!!」 目を吊り上げて八重歯をむき出しにして怒るカチューシャの頭を、ノンナは、むずかる娘をあやすように、小さく撫でる。 そして、彼女の視線の高さまでしゃがみ込んで、少し寂しげな目で、笑った。 「カチューシャ、ごめんなさい。 選抜と同じく米英の戦車が中心の日本代表では、ソ連戦車が代表車に選ばれる可能性は厳しいのです。 性能の問題ではなく、整備性、部品調達のしやすさ、社会人や大学生チームの派閥、世間のイメージ、等々……。 様々な理由から、そう決まってしまったのです」 「……ノンナは、それでいいの?」 「いい悪いの問題ではないことは、カチューシャもよくご存知のはず。 分かった」 [newpage] 『ウラーーーーーーーー!!!!!』 砲手ノンナと、装填手アリーナ。 大学の壮行会で、二人の日本代表選手を鬨の声で送り出す戦車道隊員たち。 カチューシャも、精一杯叫び声を上げながら……快晴の空を見上げる。 目から涙がこぼれそうになるのを、ぐっとこらえていた。 1週間。 たった1週間の強化合宿。 自分たちのチームが乗っているのとは別の国の戦車を、短期間で操縦・指揮……乗りこなすのには困難を伴う。 操縦手、無線手は、他校のチャーフィー乗りだから問題なかった。 が、同乗するノンナやアリーナとっては、初めて乗るアメリカ戦車。 バカでも扱えるアメリカ製。 なので、使いこなすのに、さほど苦渋するものではない。 とはいえ……初めて乗るアメリカ戦車の特性を掴み、他の選手の足を引っ張らないようになるまで、3日かかってしまった。 で、チャーフィーはどう? ちゃんと使える?」 『操作、照準の合わせ方は問題ありません。 戦車に心は無い。 言葉を話すわけなどない。 ラーダ・ニーヴァを、ジープ・チェロキーに乗り換えるのとは、わけが違う。 着座位置、戦車の挙動、レバー、照準器、計器の配置にボタンやスイッチの位置、弾薬の場所……等々。 何もかもが、違う。 6年以上乗ってきたソ連戦車とは、勝手が違う。 それは、他のメンバーも同じだった。 搭乗員が、他の大学生だったり、プロ選手だったり、高校生だったり、混成部隊の日本代表。 島田愛里寿大隊長、そしてルミ中隊長の出す作戦指示に従いながら、用語の違いにも気を配りながら、乗員に指示を出す。 消極的ではないにせよ、どことなく、腫れものを触るような、臆病な慎重さで……。 ドイツ、日本、チェコ、アメリカ、フランス。 ロールプレイ……国縛りの無い大洗女子は、いざという時に備えて、所有する雑多な戦車のいずれにも慣れておかないといけない。 その経験の差か、パーシングにも慣れるのも早く、すぐに頭角をあらわしはじめた。 そして、ケイの指揮するパーシングの砲手はナオミ。 昔からシャーマンに乗っていた彼女たちは、特に苦労はしなかった。 聖グロOGのダージリン車には、アッサム。 そして高校3年のオレンジペコ。 チームワークは完璧。 でも……。 [newpage] 「西住、調子はどうだ」 「まずまずです……今は、それ以上の答えは出せません」 明らかに実力を発揮できていなかったまほ。 訓練後、島田愛里寿に話しかけられて振り向いた時、他人にめったに見せない……疲れた顔をしていた。 砲手、装填手……乗員全員を、黒森峰OGで固めていたが、やはり事情は同じ。 乗ってきたのがドイツ戦車ばかりで、パーシングに慣れていなかった。 そして、更に深刻だったのは……。 「西車長、砲撃の指示が早すぎます。 火力はM4シャーマン同じ砲弾を使用する40口径75ミリ砲であり、エンジンは70馬力は強く、不整地速度はチハの最高速度よりも高速です。 チハと同じ乗り方をしていては勝てません。 車長が戦車の諸元を把握していなければ、戦えませんよ」 「はっ。 把握はしておるのですが、本当に近づいていいのかと、不安になってしまい……つい。 しかも2つのガソリンエンジンが、背中にあると考えると……」 「知波単の吶喊魂はどこに行きました? あなたが砲手が出来るのならば、私が交替してもいいのですよ」 「っ……し、承知しました、大会までには必ず修正いたします」 「ノンナさん?、あなたの射撃精度も上げて頂かないと、肉薄しても撃破できる保証はないのでは?」 「ん? 貴様っ! ノンナ殿は先輩だぞ!」 西絹代は、ノンナとの会話に割り込んできたサンダース大付属高校の2年生の言葉に目を吊り上げた。 彼女の胸倉をつかみかからんばかりに歩み寄る絹代を、ノンナが強い力で引き留める。 「焦らないで西さん。 私が至らないのは事実ですから。 ……いちどダージリンさんやケイさんとお話しましょう。 あなたほどの手練れであれば、きっとうまく指揮できますから、かならず」 [newpage] ノンナが出る試合を、テレビの生中継で見るなんてはじめて 試合当日。 カチューシャは生中継番組の選手紹介を、醒めた表情で眺めていた。 ナオミと高校ナンバー1砲手の座を争ったノンナも……控え選手との交替が取りざたされ、試合に出るのがやっと。 ブリザードのノンナに、こんなひどい屈辱……はじめて。 「誰よ! いま試合見てるんだから邪魔しないでっ!」 「……エリカよ。 逸見エリカです」 「……入って、エリーシャ」 [newpage] カチューシャは膝をかかえるのをやめて、エリカとベッドに並んで座る。 彼女の傍らに必ず付き添う、同居人のノンナは……今日はテレビの向こう。 遥か遠い、アメリカにいる。 でも、代わりに……エリカがきてくれた。 一人きりよりも、気分が、孤独が、虚しさが紛れる。 黒森峰機甲科隊長のエリカも、普段の殲滅戦より10輌少ない20対20の特別ルールの犠牲者となり……、 いま、アメリカの試合会場ではなく、カチューシャと並んで……テレビ中継を見ていた。 二人は画面を凝視する。 1両の戦車の挙動を、砲撃を、じっと目で追い続ける。 [newpage] 「なにやってんのよ……ノンナ……」 いつものように強い口調で叫ぶだけの元気が、いまのカチューシャには無かった。 画面が他の戦車に切り替わる。 ずっと画面を見続けていた事に気づき、ほうっ、とため息をつくと……外は寒の戻り。 暗闇の中、わずかに雪がちらつく。 部屋の寒さを感じて、カチューシャはベッドにあった毛布をかぶった。 エアコンを付けてもいいのだが……壁にかけてあるリモコンに手が届かないのだ。 ……ノンナが、いないから。 カチューシャがちら、と、エリカを横目で見る。 エリカは黙って立ち上がり、リモコンを手に、暖房を入れた。 「20度でいいですか?」 「いいわ」 カチューシャがエリカの方を向いて、テレビから目を離したその瞬間に……、 絹代の、ノンナの、アリーナたちの試合は、終わった。 『日本代表、チャーフィー19号車、行動不能!』 画面に2秒だけ、砲塔が壊れて白旗の上がったチャーフィーが映されて……、 すぐに砲弾の雨をかいくぐり、会場の荒野を疾駆する、大隊長車のセンチュリオンに切り替わった [newpage] 試合そのものも、1時間しないうちに終わった。 残存車輛、0両対12両。 日本代表の、完敗。 愛里寿の作戦を理解し、追従できる能力が足りてなかったのだろうか。 所詮は、乗り慣れない戦車に戸惑う寄せ集め部隊だったのだろうか。 ……それとも? 番組終了まで、あと1時間はある。 表面上は穏やかだが、実質的には糾弾会であり、戦犯探し。 『作戦決してアメリカにも負けてはいません。 表情も厳しいながら、「唇を噛みしめた」「硬い表情だった」と新聞で書かれる程度だろう。 ただ、だれしもが、目の輝きを失っている。 ここまで打ちのめされるとは……だれも、思っていなかったのだ。 [newpage] 個々の選手にも、容赦なくカメラとマイクが向けられていく。 涙にむせび、 『面目ありません、申し訳ありません。 今までの全てを壊し、島田隊長殿の下で、いちからやり直すのみであります……』 と、下を向いて、鼻声交じりのか細い声で応えるのは、西絹代。 彼女は……人目をはばからず、涙を流していた。 『全てが力不足でした。 それでも、まだ次があります。 でも……次の次は、ありません。 相手がアメリカだろうと、ドイツだろうと、次は必ず……かなら、う、ううっ』 ノンナの口から嗚咽が漏れだす。 絹代が黙って寄り添い、彼女を連れて控室に向かう。 「……もういい」 テレビを切る。 カチューシャは石像のように固まり、まったく動かなくなった。 [newpage] 「カチューシャ……」 「触らないで、エリーシャ」 ちいさくうなづいて、ひとこともしゃべらずに背を向けて、エリカは部屋を出ようとした……。 が、思い直して、戻ってきた。 エリカも、自分の部屋で、ひとりになりたくなかったから。 ダイニングの椅子に座り、両肘をついて、顔を覆ってうつむく。 カチューシャは、膝を抱き、頭を手で抱え……声を押し殺して、泣き続けた。 [newpage] カーテンの隙間からさしこむ朝日。 白い光を浴びたエリカが、そっと目を開いて、天井をみつめ、首を左右にふる。 ここは……自分の部屋のベッドではない。 そして……となりでうずくまって眠る、小さな女の子の存在。 むなしさ、さみしさ、かなしさ、くやしさ、やるせなさ……。 いろいろなつらい感情に耐えきれなくなって、どちらからともなく身を寄せ、抱き合い……声を上げて、泣いた。 「カチューシャたちが、なにもしなかったからよ」 「……」 「現地まで追いかけて応援? 激励? アドバイス? 口だけならなんでもできるわ。 日本戦車道連盟の仕事が遅い? なら、国際戦車道連盟と話を付ける事だって、つてを探すことだってできたはずよ」 「戦車を学園艦ではなく、日本戦車道連盟所有の輸送機で運ぶのならば、30両運ぶ事が出来ないなんて分かっていた。 だけど、私はそれを気にも留めずに、代表選考の日を待ってしまいました。 いつも通りの練習以上は……なにもせずに」 「高校チームでもなく、大学チームでもなく、選抜チームでもプロチームでもない、日本代表。 相手は世界。 そのことをぽっかりと忘れて、日本のものさしだけで考えていたのよ、みんな」 「ドイツ、ソ連、イギリス、アメリカの……ロールプレイは、所詮はロールプレイ、だったのかしら」 [newpage] カチューシャがベッドから這い起きる。 キッチンの冷蔵庫まで歩く。 冷やしていたノンアルコールウォッカを片手に、2つのグラスを、もう片手に。 グラスをテーブルに並べて注ぐと、まだベッドにいるエリカを見やる。 昨晩は涙を流しすぎた。 身体から水分が失われていることに、ようやっと気付いたエリカが起き上がって、カチューシャの反対側の椅子に座った。 「メール、来なかったですね」 「みんな、ずっと泣き続けたのかしら……。 だとすれば、カチューシャもエリーシャもノンナもみんなも、涙の海の中で溺れていたんだわ」 「涙の、海?」 「つらい場所だけど……そこで泣き続けているかぎり、前を向かなくていい、楽なところ。 でも、泣くのはおしまい。 前に、荒波の中に、進まなくちゃ」 グラスの中身を飲み干した後、洗面台に向かうカチューシャ。 長い洗顔。 やがて……涙の跡をきれいさっぱり、すべて洗い流した彼女は……、 また椅子に座り、姿勢をただしてから、エリカの瞳をじいっと見据えた。 [newpage] 「前進あるのみ、よ」 エリカもカチューシャに続き、顔を洗いに席を立つ。 吐息と共に、心と身体に残った、後ろ向きな自分を追い出していく。 前進、あるのみ。

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初解禁 X SnowMan

涙 の 海 を 越え て ゆけ

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