リドル 監督生 呼び方。 【ツイステ】各キャラの一人称と監督生の呼び方一覧

死にたがりの監督生2【ツイステ】

リドル 監督生 呼び方

もし違う孤児院だったら トムヤムが居ないだけで、みんな家族!な孤児院にいる。 ダンブルドアが迎えに来る。 行ってみることにする。 リドルが害悪。 バタバタと五月蝿いその寂れた孤児院に、更に一際五月蝿い足音が子供たちの喧騒を割った。 子供たちはいつも以上に慌てた足音に遊ぶ手を止めて、一つのドアをみる。 ドタドタドタドタッ…… ドタドタドタドタッ ドタドタドタドタッ! バァアンッ!! 「ユズカ!!!! 」 「はっはい!」 ドアを蹴破るかのごとく現れた小肥りした女性は、一枚の手紙を押し付けるように黒い目と髪の少女に見せた。 「ま、魔法学校に行けるわよ!!!? 」 「……はぁ?」 肩を揺すぶられても、当の本人にはそのスゴさが解らなかった。 ーーーーホグワーツ魔法魔術学校。 イギリスの都市部、ロンドンのいくつかある孤児院に一人の少女が保護された。 路上に倒れているところを見つけた住民に通報され、少女が起きると周りには多くの大人にが少女を囲っていた。 訳のわからない言葉で何かを聞かれて、訳のわからないまま少女はある場所へと連れていかれた。 そこには少女ぐらいの身寄りの居ない子供たちがいて、言葉がわからない少女はすぐにそこが孤児院であることが分かった。 外見も、言葉も、全てその孤児院の子供たちとは異彩を放って違う少女も最初こそは身を固くして周りを伺っていたが、絵本を片手に集まってきた子供たちに心を許して馴染んでいった。 やがて、少女が日常会話程度なら話せるようになった頃、彼女宛に一通の手紙が届く。 それは魔法学校への入学を歓迎するという内容であった。 半信半疑、誰もが何かの悪戯だと思っていた矢先、一人の初老が孤児院のドアを叩いた。 彼は魔法学校からの使いで、そこの教師をしていると言った。 魔法が使える証拠も見せ、是非とも少女が魔法学校へ行き、魔法を学んで欲しいと言う旨を伝えて帰っていった。 これを聞き、孤児院の中は大騒ぎだった。 絵本の中の魔法がこの世に存在すること、魔女や魔法使いが存在すること、そしてそれに近づける存在が居たこと。 子供たちは皆、頬を赤くして口々に選ばれた少女に詰め寄った。 が、少女は良い顔をしなかった。 魔法学校へ行くよりも、孤児院で子供たちの面倒をみて、いずれはこの孤児院の労働力になりたいと思っていたからだった。 けれど、少女の思いも虚しく、尊敬する先生によって魔法学校行きが確定のものになる。 「もうサインしちゃったわ」 「なんで!?私は行きたくないのに!」 「…貴女は行くべきよ。 きっとこれは貴女に必要なことなのよ。 …それに夏休みに帰ってこれるでしょ?」 待ってるわ。 その言葉を糧に、沢山の子供に見送られ少女ユズカは魔法学校の門を潜ったのだったーーーーー… 「ってことがあって、私は魔法学校に来たんだけど…夢子ちゃんは家柄から決まってたんでしょ?」 「うん、まぁ…」 「スゴいね!日本人でも純潔な魔法使いなんて居たんだ!」 組分け帽子でユズカはハッフルパフに行くことになった。 そのなかで呼ばれた名前のなかに日本人特有な名前を見つけたユズカは、スリザリンのテーブルで朝食を食べていた夢宮夢子を捕まえて直ぐ様仲良くなった。 その行為は彼女たちを注目させるには十分であり、こそこそと彼女たちのことを話題にする声が聞こえてくるが、彼女たちはそれを無視した。 「ねぇ、最初の授業どうだった?私は完全に置いていかれたからヤバすぎる」 「私は家でちょっと予習みたいなのしてたから…良かったら私が教えてあげるよ?」 「え、えぇ!?ほんとっ!?夢子ちゃんかっこよすぎる!」 「そ、そうかな…そんなことないよ」 「じゃああれは!?もの浮かす呪文!」 「浮遊術のこと?」 「それそれ!私さぁ羽はじゃなくて杖を飛ばして先生にあきられちゃって」 「杖を?ふふっ面白いね」 夢子とユズカの二人が胸を張って仲良くしている姿は、次第に二人で居ることを良く思わない人々を無くしていった。 ただ一人を除いて。 「やぁ、ユズカ」 ユズカは読み書きの障害を乗り越え、無事に五年生になった。 半分以上は夢子のお陰でここまでこれたものであり、夢子なしでは今の自分はないとすらユズカは言い切れる。 感謝をしてもしきれない夢子。 そんな夢子に恋人が出来た。 「リドルさん?」 それがトム・リドル。 ユズカとは何もかもが真逆の存在で、学年トップの頭脳と端正な容姿を持つ完璧超人である。 おまけに、ハッフルパフのスクイブと呼び始め、広めた憎きスリザリンの生徒と同じ寮であるのにも関わらず、その性格はスリザリンの菩薩、仏心、良心とさえ思うほどの人格者。 最高の親友夢子の相手としてトム・リドルはユズカも納得の人物であった。 付き合い始めたと聞いたときは両手離しで喜んだのは約一年前のこと。 赤い目に黒いサラサラな髪。 同じ黒でも彼の髪はユズカのそれと違うものに見えた。 そんな彼に親しみを持って名前を呼ばれて、ユズカは少しだけ夢子の友人であることを役得に思えた。 彼が監督生になってからユズカを目の敵にして減点するスリザリンの監督生は居なくなったこともあり、ユズカの中のリドル像は神に近いものがあった。 「今日もカッコいいですね!夢子ならさっき寮に忘れ物をしたってーーー、」 「あぁ、そうじゃないんだ。 僕はユズカに用があって話しかけたんだよ」 「私に?」 なにも不思議なことはない。 夢子とユズカは寮の壁を越えた友人であることは周知の事実で、その夢子の恋人であるリドルが彼女に話しを聞いたりすることは良くあることだった。 夢子のプレゼントには何が良いかなどと相談を受け付けた事もあった。 今回もそのような件なのだろうとユズカは思った。 「そう、相談したいことがあるんだ。 夢子には秘密で、三階のスリザリンのトイレで待ち合わせしよう」 「もしかして夢子にサプライズでも?」 「そんなところかな。 協力してくれるかい?」 「勿論!二人にはお世話になりっぱなしだし、私に協力出来ることだったらなんでも言って!」 それに、ユズカにはリドルや夢子に罪悪感があった。 二人が付き合い始めて、二人でいるようになっても夢子はユズカの勉強は必ずみてくれたし、リドルもたまに手伝う事もあった。 自分のせいで二人の時間を減らして悪いと思って居たからこそ、怪しい待ち合わせ場所を疑問にも思わず了解してしまったのだ。 快く頷くユズカに嬉しそうにしたリドルは、小走りで近づいてくる夢子を視界のはしに確信しながら話を終わらせる。 「じゃあ、夕食を食べたら落ち合おう。 」 「おっけーです」 夕食後、ユズカは友人たちに上手くいい、三階のトイレへと夢子と人目を避けて赴いた。 三階のトイレ…しかもスリザリンのトイレは昼間でも薄暗く、夜になればまず近寄る生徒は居ないくらいに不気味な場所であった。 比較的楽にたどり着いたユズカは、まだリドルが来ていないため少しの間、薄気味悪いトイレでひとり待ち続けた。 ーーーーズ、ズズズ… 「…ん?」 さして怖がることもなくボーッと待っていたユズカの耳に、何かが這うような音が微かに届いた。 なにか、居る?そんな不安から、状態異常回復の魔法とシールドを自らにかけ、どんな状況にも備えた。 ここは魔法学校。 けれど油断をしていると悪戯魔法や魔法生物が自分を襲う危険なところだ。 特に、この世界では。 前に魔法生物が学校に侵入してきた経験がユズカを慎重にさせていた。 ーーーーズ、ズズズ…ズ 「…… やっぱり、なにか 」 と、周囲を睨んで耳をすませていたユズカの前にカツカツと規則正しい足音を響かせて、待ち人がやって来た。 「早いね。 少し待たせたかな」 「リドルさん!全然待ってないですよ!」 リドルがやって来たことにホッとすると、ユズカは首が疲れない位置まで近づいて、その美貌を見上げた。 「それで、夢子になにかサプライズプレゼントでもするんですか?クリスマスも近いですし」 「そう、クリスマスは夢子と二人で過ごしたい。 …去年は穢らわしいマグルの補習で散々だったからな」 「ん?リドルさん、今なんて…」 ゆらり、赤い目の中で嫉妬に揺らぐ炎を見た気がした。 黒い黒いその炎。 優しくて素敵だと思っていた瞳は、ユズカを射るように細くなっていた。 穏やかだと思っていた声も、今は無機質な冷たさを帯びていた。 「邪魔だ。 消えろと言ったんだ。 お前を見てると腹が立つ」 「え、…え?」 「魔法が使えないだけじゃない。 能天気で努力もしない。 そんなマグルの屑に魔法を教えて何になる?時間の無駄だと思わないか」 「そ、それって…私の、こ、と…」 目が眩むようなリドルの言葉にユズカは一歩後ろへ後ずさる。 それを埋めるように杖を出したリドルは一歩迫った。 「あぁ、お前のことだよ。 分を弁えないマグルとなんら変わりない。 マグルなんかといるよりも、夢子は僕と居るのが相応しい。 だから…目障りで邪魔な君は、夢子と僕の為に死んでくれ」 ーーーズズズズズズズ… 一歩また前に詰めたリドルから逃げるために後ずさったユズカの後ろに、なにか巨大な存在が動く音がした。 それはさっき微かに聞こえた音で、今度は真後ろで、しっかりと、それは聞こえた。 リドルに散々言われて、精神的に参ったユズカ。 それでも今の現実を受け止められないほど、彼女は強くもなければ弱くもなかった。 「…リドルさん、私のこと…嫌いだったの?」 「違う。 嫌いだの好きだのとかそんな次元じゃない。 生きているだけで害悪だ」 そこまではっきりと言われてしまえば、ユズカの中のリドル像はあっさりと捨て去ることが出来た。 もう、気を使う必要はない。 肌で感じる殺気でリドルが本気でユズカを殺そうとしてるのも分かる。 だからこそ、 「害悪ってなに?生きてるだけでって?何様なのアンタ。 どういう育ちをしたらそう歪んじゃうわけ?」 ユズカも気を使うことを止めた。 「やっぱスリザリン最低。 お前なんかトムヤムクンで十分だわ。 ありえない、猫かぶり上手すぎて騙された」 「はっ、お前もマグルよりもゴリラがお似合いだ。 …死ね!」 リドルが杖を振る。 後ろの存在も動く。 両方に同時に迫られたが、ユズカは微動だにせず、リドルを睨み続けた。 リドルの杖の先から放たれる「緑の閃光」 それはユズカに届く直前 ーーーーピチュン!ーー 何物かに阻まれて、緑の花火のように散った。 「な、なに…!? 」 リドルは一連の現象に追い付けない。 防ぐことは出来ない最高殺傷能力を誇る「死の魔法」を、彼の目の前で意図も容易く防がれてしまった。 しかも、防いだ彼女は、その事実に驚きもしない。 そんな些細なことよりも、後ろから自分を飲み込まんとする異形に彼女は驚愕していた。 「ていうか後ろに何がいるーーーーぎゃぁぁあっ!でかっ!蛇!!? 」 リドルは弾かれた魔法と直接バジリスクを見ても死なない彼女に驚き、ユズカは己の後ろにいて襲おうとした正体を見て驚く。 ーーシャァァァアッ! 「いやぁぁああっ!爬虫類きもちわる!」 ユズカが自分を飲み込もうと口を大きくして間近に迫る異形に戦き、二歩下がる。 そして、彼女が「きもちわる!」と叫ぶと同時に、台風の如き、強い風がバジリスクを壁へと叩き付けた。 またしてもあり得ない現象を目の当たりをしたリドルは唖然。 バジリスクを弾き飛ばしたことよりも、どうやって対処した方がいいかパニックになっているユズカ。 突然、マグルで冴えない劣等生が恐ろしくて未知な生物に見えてきた。 「た、退治した方が…いや、先生に言った方が…!?」 「お前…一体何者だ!」 「お前が何者だよ!なんだこの蛇!どっから召喚した!? 」 「僕の質問に答えろ!! ゴリラ!」 「ふざけんなっトムヤムクン!こっちは殺されかけたんだぞ!」 ズズズズ… ユズカをその巨大な毒牙にかけようとしたバジリスクは思わぬ防御魔法に弾かれ、倒れていたが、ようやく体勢を建て直した。 その様子をみながら、ユズカは考える。 こんなものがホグワーツに存在していれば、他の生徒が危ない。 ここで倒してしまえばそれでお仕舞いだが、そうなると此処にいた自分とリドルが怪しまれる。 特に、リドルはこの化け蛇を操れるようで、怖がりもしない。 だとしたら、どう行動すればーーーー、 カッカッカッカッカッ… 「っ!誰か来る!」 しかも的確にスリザリンのトイレへとその足音は近づいてくる。 ずっと杖をユズカに向けていたリドルは、その足音を聞いたことでユズカには分からない何かを蛇に伝えて、何処かへと姿を消させた。 やはり蛇はリドルが操っていたものらしい。 カツカツカツカツ だんだんと早足でやってくる足音。 やって来たのは… 「誰かいるーーーリドル?」 「わっ!驚いた…夢子か」 「…一人でここで何してるの?」 「んー、秘密の魔法実験ていうところかな」 来たのは夢子だったようだ。 トイレの高いところにある窓からユズカは外に脱出している。 そこから聞き耳を立てていたが、どうやら夢子には自分の存在を知られていないようでほっとした。 話ながらトイレを去る二人を確認してユズカも学校の中庭から、ひっそりと学校の中へと急いで戻っていった。 箒では飛べないが、箒がなくも飛べる。 けれど、箒を使わずに飛ぶのは高等な技術であるからして、ユズカはここ数年は空を飛ぶのを控えていた。 どべでマグルな人間が杖がなくても魔法が使えたり、空が飛べたりするのは、きっと純潔主義の魔法使いたちは面白くないだろう。 未然に災いの芽は摘んでいたのに、卒業間近に猫かぶりの優等生に見つかってしまうとは実にショックな出来事だ。 ユズカは思い出す。 完璧超人だと思っていた人物の、最大の欠点。 トム・リドルは近年稀に見る、他人を巻き込むタイプの最低ヤンデレだったのだ。 故人は言った。 ヤンデレ危うきに近寄らず。 その日からユズカは、自衛に勤めることを決心した。 だから、勉強も夢子には頼らなかった。 食事も寮の仲間と取るようにした。 授業の時も夢子の側へは絶対に行かなかった。 時には、廊下で出会いそうになった時は時間を止めて避けた。 完璧に避けた。 はずだった。 「僕たちは何か誤解をしていると思う」 なに食わぬ顔をして、ユズカがうっかりしているところにリドルはやって来た。 見目だけ麗しい彼に言い寄られても、ユズカは嬉しい気持ちにはこれっぽっちも思わなかった。 しつこいセールスマンを睨み付ける主婦のように、ユズカはリドルを嫌な顔で迎える。 「誤解なんてしてない。 学校のアイドルであるトム・リドルはヤンデレでデカイ蛇を飼ってる。 そして人を嫉妬で殺す奴」 「あー、それについては謝るよ。 すまなかった」 「許さない。 いや、私の周りに近寄らず、私の周りに妙なことをしないと誓うなら許してやってもいいよ」 「手厳しい。 僕は君のことが気になるんだ。 許さなくてもいいから、僕の話を聞いて」 「何が僕の話を聞いてよ。 あんた人の話も聞かずに殺そうとしたくせに。 いい?あんたみたいな人間的に性根が腐ってる奴に私のことを教えたくない。 私の知ってることはあんたには勿体無いものばかりだからね」 「………」 「睨んでも、妙な魔法を掛けようとしてもムダ。 私を殺す方法は…私だって分からないし。 」 「お前はマグルなのか」 「教えませーん。 トム・リドルこれで最後。 私の周りに近づくな。 これは周りの人たちにも危害を加えるなって意味。 さもないと闇のなかに放り込むか、ダンブルドアにデカイ蛇を飼ってるって言いつけるからね。 ほら、ヤンデレは尻尾巻いて彼女の元に帰れよクソリア充」 数多ある世界のひとつ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんな感じですっかり騙されてた主人公と、主人公に興味を持ち始めるトムヤム。 でも主人公は危ないトムヤムを夢子に不思議に思われても完全に避け始める。 あの手この手で主人公に迫って、正体聞き出そうと躍起になるトムヤムが予想できる。 卒業したら主人公は孤児院に帰って孤児院で働く。 トムヤムは…どうするんだろうね。 主人公にちょっかいを出さない限り、トムヤムは夢子と幸せルートエンドで終わるかもしれない。 でも闇の帝王ルートもあるかもしれない。 闇の帝王ルートだったら、この主人公はトムヤムになんの情もないので、マグル狩りを始めた途端に世界を救いに嬉々として トムヤム殺しに 行くかもしれない…まで予想した。

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私の名前はトム・マールヴォロ・リドル

リドル 監督生 呼び方

例の事件を経てからというもの新入生に於ける反トム・マールヴォロ・リドルの急先鋒にして生粋の純血主義者ベラトリックス・ブラックの態度は急激に落ち着き出した。 それまではトムに諭されても馬耳東風と言った様子だったのが、頬を赤らめながら素直に頷く殊勝さを見せるようになったのだ。 トムは素直に喜んだーーーこれまで同様に生徒に自分の誠意が通じたのだと。 教師となって7年目。 既に多くの生徒をトムは送り出しており、その中にはベラトリックスのようにトムに反発する生徒も数多くいた。 そんな生徒にもトムは決して押し付けがましくならないように根気強く導き接した。 トムを慕ってくれるようになる生徒も居れば、最後までトムに対して隔意を抱いたままの生徒もいた。 でもそれで良いのだとトムは思っていた。 自分達教師が出来るのはあくまで成長のきっかけとなる事。 何が正しいのか、最後に決めるのは結局生徒自身なのだから。 それでもトムは思うのだ。 やはり、自分の想いが伝わり、生徒が成長した姿を見るのはまさしく教師冥利に尽きるーーーと。 劇的に変わったわけではない。 されどベラトリックス・ブラックは少しずつだが確実に変わりつつあった。 マグル生まれの生徒に対する「穢れた血」という差別的な呼び方ーーーそれを控えるようになった。 「スリザリンこそ至高の寮である以上他の寮生との交流など必要ありません」ーーーそんな事を言っていたのがトムの主催する決闘クラブに進んで参加するようになった。 「私を指導したいというのならば最低限純血になって出直して頂けませんか?」と高慢な顔で言っていたのが、照れくさそうに頬を染めながら「あの……その……貴方は半純血ではありますが極めて優れた魔法使いですし、特別にそう特別にこの私を指導する権利を与えてあげなくもないですよ!」ーーーそんな事を言いながらトムに指導を求めるようになった。 純血の王を自称するブラック家の娘であり生粋の純血主義者であるベラトリックス・ブラックは徐々にだが確実に変わり始めていた。 当然トムは笑顔を浮かべながら誠実に彼女を導いた。 かつて偉大なる父が自分を導いてくれたように。 これまでにも多くの生徒にそうして来たように、このベラトリックス・ブラックという意地っ張りな少女を導くのだと使命感に燃えた。 そんな様子を見ていた同僚にして学生時代からのトムの親友たるフィリウス・フリットウィックはただ一言こう呟いた。 「トムがまた一つ罪を重ねてしまった」と。 ・・・ 一体自分はどうしてしまったんだろうーーーそんな事をベラトリックス・ブラックは思う。 あの一件以来、彼女の頭からは寝ても覚めてもトム・マールヴォロ・リドルの笑顔が離れなかった。 いつだってーーーそういつだってそうなのだ。 「穢れた血」という言葉を使おうとしたときも彼が哀しげな顔を浮かべながら自らを窘めるところが頭を過り、ベラトリックスはその言葉を使う事が出来なくなってしまった。 おかげで休暇で戻った際には両親と妹に心配までかけてしまう始末だ。 自分が、 半純血 ・・・ や マグル生まれ ・・・・・・ に絆されるなどーーーそんな事は、そんな事はありえるはずがないというのに!だというのに、「穢らわしいマグル混じりに絆されたか?」などと余りにも邪推が過ぎるではないか!ただ自分は少しばかりーーーそう、ほんの少しばかり周囲に寛大になってやるのも良いかとそう思っただけの事である。 自分が 半純血 ・・・ である あの人 ・・・ に惹かれているなど、そんな事はーーー 「そんな事、有り得ないんですから」 自室で一人になったベラトリックスは頭に過ぎる一人の人物を振り払うようにポツリと呟く。 そう、そんな事は有り得ない事だ。 何故ならば自分は誇り高きブラック家の娘なのだから。 純血の王たる家に生まれた自分が夫とするのは同じ純血の魔法使いと決まっているのだ。 何故ならば、それこそがベラトリックス・ブラックが生まれながらに背負う義務なのだから。 自分は純血の誇りを忘れて家系図から抹消された愚か者達とは断じて違うのだから。 そんな風に自らに言い聞かせながら、ベラトリックスはベッドの中へと潜り込んだ。 久方ぶりに帰ってきた実家で愛する家族と過ごす日々に、何故かどこか冷たさと物足りなさを覚えながら。 ・・・ それからの時間はあっという間に過ぎて行き、気がつけばベラトリックスは最高学年である七年生となっていた。 優れた才能を持ち、それに奢ること無く研鑽を重ねた彼女は当然のように監督生となり、首席となった。 純血主義である事自体は変わらぬものの、「自らを支える誇りにするのは良い。 だが、それを他者を見下す道具にしないで欲しい」ーーーとある人物からそんな風に言われたベラトリックスは 寛大 ・・ に振る舞った。 自分にも他人にも厳しくーーーされど面倒見が良く親切で、とても優秀なベラトリックスはスリザリンの女帝と称されて同級生や後輩達から恐れながらも慕われた。 誰からも将来を嘱望される優秀な魔女であった彼女だが、その彼女をして恩師であるトム・マールヴォロ・リドルは 別格 ・・ だと言わざるを得なかった。 入学時とは比べ物にならないほどに成長したにも関わらず、彼女は自分とトムの差が縮まったとは到底思えなかった。 ーーーどうしてあの人は半純血なのだろう。 純血でさえあれば私はこんなにも悩まずに済んだというのに。 卒業を間近に控えた事でベラトリックスは両親から結婚を勧められ始めていた。 同級生のロドルファス・レストレンジがその候補であった。 しかし、ベラトリックス自身の心はと言えばまるで彼に心惹かれるものがなかった。 優雅で果断で寛厚で成熟したトムに比べればロドルファスは粗野で優柔不断で傲慢で幼稚にしか思えなかったからだ。 ーーーただ、それはロドルファス・レストレンジ自身の問題というには余りに酷だっただろう。 つまるところこれは結局、ベラトリックス・ブラックがトム・マールヴォロ・リドルに夢中になってしまっているというただそれだけの事なのだから。 だが、それは許されざる恋だった。 何故ならばトム・マールヴォロ・リドルは半純血であり、ベラトリックスは純血の王であるブラック家の人間なのだから。 「血筋とかそんなに気にするような事?大事なのは姉さん自身の心でしょ?」 ベラトリックスの2つ年下の妹であるアンドロメダは悩める姉に真剣な表情で伝えた。 「気にするに決まっているでしょ。 私は誇り高きブラック家の人間なのよ。 我が家の家訓は知っているでしょ、アン」 「『純血よ永遠なれ』よね。 でも純血であることってそんなに大事かしら?うちは純血を保っている事が自慢みたいだけど、それでも家系からスクイブは出ているし、姉さんの愛するトム先生やそのトム先生が尊敬するダンブルドア校長は半純血だけど、この二人以上の魔法使いなんてそれこそ数百年遡らないと居ないじゃない」 「それは……」 ベラトリックスもわかっていた。 自分の家の考えは偏っているのだと。 純血でない魔法使いにも優れた魔法使いはたくさんいるーーー何せ他ならぬベラトリックスが尊敬して止まぬトム・マールヴォロ・リドルとて父親はマグルだったのだから。 「まあ日間予言者新聞でその二人の記事が載る度に舌打ちしている父様と母様には認めたくない事なんだろうけどーーーでも、姉さんはそうじゃないでしょ。 改めて聞くけど本当に良いの?このまま父様と母様の言われるがままに好きでもない人と結婚する事になって、それで本当に姉さんは幸せ?」 「他人事だと思って簡単に言わないでよ……純血以外の魔法使いと結婚するって事は家から勘当されるって事なのよ?」 「他人事じゃないわよ。 だって私も卒業したらテッドと結婚するつもりだもん」 「は?」 聞き捨てならぬ事を聞いたベラトリックスは2つ年下の妹をまじまじと見つめる。 姉に見つめられたアンドロメダは得意気な顔を浮かべて言葉を続けた。 「卒業したらテッドと結婚するって言ったの。 知っているでしょ、私と同い年のハッフルパフのテッド・トンクス。 彼なんてマグル生まれだもの、一応説得はしてみるけどまあ石頭の父様と母様が認めてくれるだなんて事はまず有り得ないでしょうし、十中八九勘当でしょうね」 「アン……貴方そんなあっさりと言っているけど、怖くはないの?」 ベラトリックス・ブラックは怖い。 何故ならば家を勘当されるという事はこれまでベラトリックスを支えていたものが消えるという事だからだ。 ずっとベラトリックスは自身が純血の王ブラック家の人間である事を支えにしてきた。 だが勘当されてしまえば、もはや自分はベラトリックス・ブラックではなくただのベラトリックスなのだ。 ブラック家の威光をもはや当てにする事は出来ず、それどころかそれらが敵に回る可能性さえあるのだ。 怖くて当然だろう。 「そりゃあ不安が全く無いって言ったら嘘になるけど……でもテッドと一緒ならきっと乗り越えていけるって信じているもの」 頬を染めながら告げたその妹の姿は姉であるベラトリックスから見てもとても魅力的で、とても大人びて見えた。 自分がうじうじと迷っている間に妹が自分のはるか先へ行ってしまった事をベラトリックスは悟った。 「もちろん不安は凄く凄~くあるわけで、そういう意味でとっても優秀でとっても頼りになる姉が先陣を切ってくれたら妹としてはとっても有り難いな~と」 上目遣いでそんな事を申し出る妹の姿にベラトリックスは苦笑する。 アンドロメダが意地っ張りでいつまでも素直になれず踏ん切りがつけられない姉に 妹のため ・・・・ という口実を与えてくれるのだとわかったが故に。 「全くこういう時に先に生まれた方は苦労するわね。 倣える前例が居ないんだもの。 私の方の式には呼ぶから、貴方の方も式には呼んで頂戴ね、アン。 家族が誰も出席してくれなかったら悲しいもの」 「うん!勿論!……でも姉さんの場合はまずは愛しのトム先生を落とすところから始めないとね」 「ひ、秘策はあります!見ていなさい、私が本気になればトム先生だってすぐに私の虜になるに決まっているんですから!」 「姉さん……一応言っておくけど愛の妙薬は使っちゃ駄目だよ?」 「使いません!」 かくして自らの愛に殉じる事を決めたベラトリックス・ブラックはトム・マールヴォロ・リドルへと猛アピールを開始する。 この可愛らしい教え子からの熱烈な求愛に対してトムは自分が歳を取りすぎている事や教え子に対して手を出すなど教師としてあるまじき事だと紳士的に諭して彼女からの思いを、これまでもそうであったように、やんわりと断った。 しかし、それでもベラトリックスの愛は変わらなかった。 1969年、ホグワーツを卒業したベラトリックス・ブラックは両親と猛喧嘩の末、実家を飛び出し闇祓いとなる。 そして卒業後もベラトリックスのトムへのアプローチは続いたーーー卒業した以上自分達はもう教師と教え子ではない以上誰に憚る事はないと告げて。 1973年、根負けしたようにベラトリックスの愛をトムは受け容れ、2人は夫婦となる。 この時トムは46歳、ベラトリックスは22歳。 父娘程も年の離れた2人の結婚式には、多くの人間がその門出を祝うべく出席したのであった。

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【A3!(エースリー)攻略】劇団員の一人称・呼びかた(呼び名)一覧◆夏組編【ビーズログ.com】

リドル 監督生 呼び方

例の事件を経てからというもの新入生に於ける反トム・マールヴォロ・リドルの急先鋒にして生粋の純血主義者ベラトリックス・ブラックの態度は急激に落ち着き出した。 それまではトムに諭されても馬耳東風と言った様子だったのが、頬を赤らめながら素直に頷く殊勝さを見せるようになったのだ。 トムは素直に喜んだーーーこれまで同様に生徒に自分の誠意が通じたのだと。 教師となって7年目。 既に多くの生徒をトムは送り出しており、その中にはベラトリックスのようにトムに反発する生徒も数多くいた。 そんな生徒にもトムは決して押し付けがましくならないように根気強く導き接した。 トムを慕ってくれるようになる生徒も居れば、最後までトムに対して隔意を抱いたままの生徒もいた。 でもそれで良いのだとトムは思っていた。 自分達教師が出来るのはあくまで成長のきっかけとなる事。 何が正しいのか、最後に決めるのは結局生徒自身なのだから。 それでもトムは思うのだ。 やはり、自分の想いが伝わり、生徒が成長した姿を見るのはまさしく教師冥利に尽きるーーーと。 劇的に変わったわけではない。 されどベラトリックス・ブラックは少しずつだが確実に変わりつつあった。 マグル生まれの生徒に対する「穢れた血」という差別的な呼び方ーーーそれを控えるようになった。 「スリザリンこそ至高の寮である以上他の寮生との交流など必要ありません」ーーーそんな事を言っていたのがトムの主催する決闘クラブに進んで参加するようになった。 「私を指導したいというのならば最低限純血になって出直して頂けませんか?」と高慢な顔で言っていたのが、照れくさそうに頬を染めながら「あの……その……貴方は半純血ではありますが極めて優れた魔法使いですし、特別にそう特別にこの私を指導する権利を与えてあげなくもないですよ!」ーーーそんな事を言いながらトムに指導を求めるようになった。 純血の王を自称するブラック家の娘であり生粋の純血主義者であるベラトリックス・ブラックは徐々にだが確実に変わり始めていた。 当然トムは笑顔を浮かべながら誠実に彼女を導いた。 かつて偉大なる父が自分を導いてくれたように。 これまでにも多くの生徒にそうして来たように、このベラトリックス・ブラックという意地っ張りな少女を導くのだと使命感に燃えた。 そんな様子を見ていた同僚にして学生時代からのトムの親友たるフィリウス・フリットウィックはただ一言こう呟いた。 「トムがまた一つ罪を重ねてしまった」と。 ・・・ 一体自分はどうしてしまったんだろうーーーそんな事をベラトリックス・ブラックは思う。 あの一件以来、彼女の頭からは寝ても覚めてもトム・マールヴォロ・リドルの笑顔が離れなかった。 いつだってーーーそういつだってそうなのだ。 「穢れた血」という言葉を使おうとしたときも彼が哀しげな顔を浮かべながら自らを窘めるところが頭を過り、ベラトリックスはその言葉を使う事が出来なくなってしまった。 おかげで休暇で戻った際には両親と妹に心配までかけてしまう始末だ。 自分が、 半純血 ・・・ や マグル生まれ ・・・・・・ に絆されるなどーーーそんな事は、そんな事はありえるはずがないというのに!だというのに、「穢らわしいマグル混じりに絆されたか?」などと余りにも邪推が過ぎるではないか!ただ自分は少しばかりーーーそう、ほんの少しばかり周囲に寛大になってやるのも良いかとそう思っただけの事である。 自分が 半純血 ・・・ である あの人 ・・・ に惹かれているなど、そんな事はーーー 「そんな事、有り得ないんですから」 自室で一人になったベラトリックスは頭に過ぎる一人の人物を振り払うようにポツリと呟く。 そう、そんな事は有り得ない事だ。 何故ならば自分は誇り高きブラック家の娘なのだから。 純血の王たる家に生まれた自分が夫とするのは同じ純血の魔法使いと決まっているのだ。 何故ならば、それこそがベラトリックス・ブラックが生まれながらに背負う義務なのだから。 自分は純血の誇りを忘れて家系図から抹消された愚か者達とは断じて違うのだから。 そんな風に自らに言い聞かせながら、ベラトリックスはベッドの中へと潜り込んだ。 久方ぶりに帰ってきた実家で愛する家族と過ごす日々に、何故かどこか冷たさと物足りなさを覚えながら。 ・・・ それからの時間はあっという間に過ぎて行き、気がつけばベラトリックスは最高学年である七年生となっていた。 優れた才能を持ち、それに奢ること無く研鑽を重ねた彼女は当然のように監督生となり、首席となった。 純血主義である事自体は変わらぬものの、「自らを支える誇りにするのは良い。 だが、それを他者を見下す道具にしないで欲しい」ーーーとある人物からそんな風に言われたベラトリックスは 寛大 ・・ に振る舞った。 自分にも他人にも厳しくーーーされど面倒見が良く親切で、とても優秀なベラトリックスはスリザリンの女帝と称されて同級生や後輩達から恐れながらも慕われた。 誰からも将来を嘱望される優秀な魔女であった彼女だが、その彼女をして恩師であるトム・マールヴォロ・リドルは 別格 ・・ だと言わざるを得なかった。 入学時とは比べ物にならないほどに成長したにも関わらず、彼女は自分とトムの差が縮まったとは到底思えなかった。 ーーーどうしてあの人は半純血なのだろう。 純血でさえあれば私はこんなにも悩まずに済んだというのに。 卒業を間近に控えた事でベラトリックスは両親から結婚を勧められ始めていた。 同級生のロドルファス・レストレンジがその候補であった。 しかし、ベラトリックス自身の心はと言えばまるで彼に心惹かれるものがなかった。 優雅で果断で寛厚で成熟したトムに比べればロドルファスは粗野で優柔不断で傲慢で幼稚にしか思えなかったからだ。 ーーーただ、それはロドルファス・レストレンジ自身の問題というには余りに酷だっただろう。 つまるところこれは結局、ベラトリックス・ブラックがトム・マールヴォロ・リドルに夢中になってしまっているというただそれだけの事なのだから。 だが、それは許されざる恋だった。 何故ならばトム・マールヴォロ・リドルは半純血であり、ベラトリックスは純血の王であるブラック家の人間なのだから。 「血筋とかそんなに気にするような事?大事なのは姉さん自身の心でしょ?」 ベラトリックスの2つ年下の妹であるアンドロメダは悩める姉に真剣な表情で伝えた。 「気にするに決まっているでしょ。 私は誇り高きブラック家の人間なのよ。 我が家の家訓は知っているでしょ、アン」 「『純血よ永遠なれ』よね。 でも純血であることってそんなに大事かしら?うちは純血を保っている事が自慢みたいだけど、それでも家系からスクイブは出ているし、姉さんの愛するトム先生やそのトム先生が尊敬するダンブルドア校長は半純血だけど、この二人以上の魔法使いなんてそれこそ数百年遡らないと居ないじゃない」 「それは……」 ベラトリックスもわかっていた。 自分の家の考えは偏っているのだと。 純血でない魔法使いにも優れた魔法使いはたくさんいるーーー何せ他ならぬベラトリックスが尊敬して止まぬトム・マールヴォロ・リドルとて父親はマグルだったのだから。 「まあ日間予言者新聞でその二人の記事が載る度に舌打ちしている父様と母様には認めたくない事なんだろうけどーーーでも、姉さんはそうじゃないでしょ。 改めて聞くけど本当に良いの?このまま父様と母様の言われるがままに好きでもない人と結婚する事になって、それで本当に姉さんは幸せ?」 「他人事だと思って簡単に言わないでよ……純血以外の魔法使いと結婚するって事は家から勘当されるって事なのよ?」 「他人事じゃないわよ。 だって私も卒業したらテッドと結婚するつもりだもん」 「は?」 聞き捨てならぬ事を聞いたベラトリックスは2つ年下の妹をまじまじと見つめる。 姉に見つめられたアンドロメダは得意気な顔を浮かべて言葉を続けた。 「卒業したらテッドと結婚するって言ったの。 知っているでしょ、私と同い年のハッフルパフのテッド・トンクス。 彼なんてマグル生まれだもの、一応説得はしてみるけどまあ石頭の父様と母様が認めてくれるだなんて事はまず有り得ないでしょうし、十中八九勘当でしょうね」 「アン……貴方そんなあっさりと言っているけど、怖くはないの?」 ベラトリックス・ブラックは怖い。 何故ならば家を勘当されるという事はこれまでベラトリックスを支えていたものが消えるという事だからだ。 ずっとベラトリックスは自身が純血の王ブラック家の人間である事を支えにしてきた。 だが勘当されてしまえば、もはや自分はベラトリックス・ブラックではなくただのベラトリックスなのだ。 ブラック家の威光をもはや当てにする事は出来ず、それどころかそれらが敵に回る可能性さえあるのだ。 怖くて当然だろう。 「そりゃあ不安が全く無いって言ったら嘘になるけど……でもテッドと一緒ならきっと乗り越えていけるって信じているもの」 頬を染めながら告げたその妹の姿は姉であるベラトリックスから見てもとても魅力的で、とても大人びて見えた。 自分がうじうじと迷っている間に妹が自分のはるか先へ行ってしまった事をベラトリックスは悟った。 「もちろん不安は凄く凄~くあるわけで、そういう意味でとっても優秀でとっても頼りになる姉が先陣を切ってくれたら妹としてはとっても有り難いな~と」 上目遣いでそんな事を申し出る妹の姿にベラトリックスは苦笑する。 アンドロメダが意地っ張りでいつまでも素直になれず踏ん切りがつけられない姉に 妹のため ・・・・ という口実を与えてくれるのだとわかったが故に。 「全くこういう時に先に生まれた方は苦労するわね。 倣える前例が居ないんだもの。 私の方の式には呼ぶから、貴方の方も式には呼んで頂戴ね、アン。 家族が誰も出席してくれなかったら悲しいもの」 「うん!勿論!……でも姉さんの場合はまずは愛しのトム先生を落とすところから始めないとね」 「ひ、秘策はあります!見ていなさい、私が本気になればトム先生だってすぐに私の虜になるに決まっているんですから!」 「姉さん……一応言っておくけど愛の妙薬は使っちゃ駄目だよ?」 「使いません!」 かくして自らの愛に殉じる事を決めたベラトリックス・ブラックはトム・マールヴォロ・リドルへと猛アピールを開始する。 この可愛らしい教え子からの熱烈な求愛に対してトムは自分が歳を取りすぎている事や教え子に対して手を出すなど教師としてあるまじき事だと紳士的に諭して彼女からの思いを、これまでもそうであったように、やんわりと断った。 しかし、それでもベラトリックスの愛は変わらなかった。 1969年、ホグワーツを卒業したベラトリックス・ブラックは両親と猛喧嘩の末、実家を飛び出し闇祓いとなる。 そして卒業後もベラトリックスのトムへのアプローチは続いたーーー卒業した以上自分達はもう教師と教え子ではない以上誰に憚る事はないと告げて。 1973年、根負けしたようにベラトリックスの愛をトムは受け容れ、2人は夫婦となる。 この時トムは46歳、ベラトリックスは22歳。 父娘程も年の離れた2人の結婚式には、多くの人間がその門出を祝うべく出席したのであった。

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