芥川 龍之介 桃太郎。 芥川龍之介のパロディ風『桃太郎』が面白い!

芥川龍之介『桃太郎』のあらすじ、感想。

芥川 龍之介 桃太郎

こんにちは。 国文学科の長谷あゆすです。 メッセージが届きました。 国文科ゆるキャラの樟次郎くんからこんな連絡が。 それにしても、ちょうど良かった! おおっ。 返事が早い。 「ということで、またやって来ましたー。 」 樟次郎くんが無事到着。 では、さっそく秋期に行われた授業の様子をふりかえっていきましょう。 【長谷クラス2回目。 】 樟次郎:えーと、この科目では学生が4組に分かれて 4人の先生が担当する授業を3回ずつローテーションで受けていくんでしたね。 長谷:その通り。 よく覚えてましたね! 樟次郎:前回ちゃんとメモをとってたんで、ばっちりです。 長谷先生の授業では「桃太郎もの」を取り上げたんですよね。 「桃太郎と死の秘宝」とかそういうのを期待してました。 長谷:ハリーポッターか(笑) まあ、タイトルは確かにシンプルなんですけど、昔話の「桃太郎」とは内容が全然違うんですよ。 ちょっと本文を読んでみてください。 【芥川龍之介「桃太郎」を読む。 】 むかし、むかし、大むかし、ある深い山の奥に大きい桃の木が一本あった。 〈略〉 この木は世界の夜明以来、一万年に一度花を開き、一万年に一度実をつけていた。 〈略〉 不思議なのはその実は核のあるところに美しい赤児を一人ずつ、おのずから孕んでいたことである。 樟次郎:1万年に1度実をつける桃の木かぁ。 ファンタジックう~。 長谷:芥川版では、この赤児が入った桃の実を八咫鴉(やたがらす)がつついて谷川に落とします。 そして、川下にいるお婆さんがそれを拾うことを匂わせておいて、桃太郎の話をスタートさせるという流れになっています。 樟次郎:なんだかすごい能力を持った主人公が出てきそうですね(ワクワク)。 桃から生まれた桃太郎は鬼が島の征伐を思い立った。 思い立った訳はなぜかというと、彼はお爺さんやお婆さんのように、山だの川だの畑だのへ 仕事に出るのがいやだったせいである。 樟次郎:予想してなかった展開が来たなぁ(笑) 長谷:「仕事に出るのがいや」のあたりがリアルですよね。 お爺さん、お婆さんも桃太郎にはすでに愛想をつかしていて「一刻も早く追い出したさ」に準備を整えてやるんですよ。 樟次郎:面白いというか、切ないというか…あ、犬が出てきました。 …犬は黍団子と聞くと、たちまち彼の側へ歩み寄った。 「一つ下さい。 お伴しましょう。 」 桃太郎は咄嗟(とっさ)に算盤(そろばん)を取った。 「一つはやられぬ。 半分やろう。 」 犬はしばらく強情に、「一つ下さい」を繰り返した。 しかし桃太郎は何といっても「半分やろう」を撤回しない。 樟次郎: 「団子を分割する」っていう発想がただ者じゃないですね。 長谷:ちなみに、この後桃太郎は同じやり口で雉と猿をお供にするんですけど、チームワークがこれまた最悪で…。 (10 分後) 樟次郎:ふう~。 一気に読んじゃいました。 それにしても、 桃太郎が飢えたお供をけしかけて 平和を愛する鬼たちを虐殺していくっていうのが衝撃的でした。 ものすごく ダークな話で驚きました。 長谷:その後も、桃太郎が人質に取った子鬼が成長して逆襲を始めたり、例の桃の木になった実から次なる「未来の天才」が生まれる可能性が示唆されたりと、含みのある内容でしたよね。 】 長谷:では、ひととおり読み終わったところで、この話のテーマを考えてみましょう。 樟次郎くん、こんな感じで「考察メモ」を書いてみてください。 樟次郎:了解です。 「作者が伝えたかったことは何か」的なことを考えればいいんですよね! (カキカキ…)にしても、 読んですぐ「テーマ」を書くってキツいなぁ。 授業の時に「時間が足りません」っていう学生さんはいなかったんですか? 長谷:実は、前回の授業終わりに本文を渡しておいて、 考察メモを書くところまで各自で準備してきてもらったんです。 樟次郎:なるほど~…あれ、こっちにあるプリントは何ですか? 長谷:忘れてました。 こちらは大正期の国語の教科書(尋常小学国語読本)に載っている「桃太郎」です。 これを見てもらって、当時のスタンダード型「桃太郎」と芥川版が全然違うことを確認したりもしましたね。 】 長谷:さて、ここからが グループワークです! ごらんください。 今回は現場の様子をちゃんと写真に撮っております。 長谷:まず、自分が考えた「テーマ」をマジックで白い紙に大きく書きます。 そして、その紙を見せてから「どういうことか」「なぜそう考えたか」をメンバーに説明していきます。 樟次郎:どんな意見が出ていたのか気になりますー! 長谷:じゃ、こちらを見てください。 長谷:グループ発表の後は、こんなふうに全員が考えた「テーマ」の紙を前に貼りました。 樟次郎:色々ありますね~。 長谷:学生が考えたことを内容で分類してみると、6~7種類くらいに大別できました。 中には芥川版「桃太郎」が 昔話「桃太郎」の序章として書かれていたんじゃないか、という解釈もあって面白かったです。 樟次郎: 「スターウォーズ」方式ですね。 長谷:そうそう。 ハリウッド映画の「スターウォーズ」だと、主人公のルークが悪の権化ダースベイダーと闘う話(エピソード4~6)が先にあって、その後に「ダースベイダーが闇堕ちした由来」を描く話(エピソード1~3)が制作されました。 それと同じように、昔話「桃太郎」が先にあって、 芥川が「鬼が闇落ちして凶悪化するまでのエピソード」を後付けしたんじゃないかっていう解釈ですね。 樟次郎:芥川版の最後では、生き残った鬼たちが独立計画のために目を輝かせて爆弾を仕込んでましたよね。 ここを見たら確かに「平和主義者の闇落ち(凶悪化)」っていうモチーフがあるように読めます。 それに、ラストでは不思議な桃の木がまだ無数に実をつけていて「未来の天才(桃太郎)」がまた生まれるんだ、ってこともほのめかされてましたし…。 みたいなナレーションを妄想しながら読み直すと、ひとしお感慨深いです(泣) 【まとめ】 長谷:さて、その後は各グループの代表者が前に出て 「全体発表」をしました。 それぞれに、根拠を挙げつつ自分の言葉でしっかり考えを伝えていたのがすばらしかったです。 樟次郎:読書は一人で楽しむものと思ってましたけど、人の解釈を聞くのも面白そうですね。 長谷:そう思ってもらえたなら嬉しいです! 芥川作品の中には「桃太郎」のように人間の醜さや身勝手さをリアルに描くものもあれば、人間の心の尊さを感動的に描くものもあります。 読書の幅を広げていくことで、作者の創作意図や表現方法についても新しい発見があるのではないでしょうか。 樟次郎:ふむふむ。 長谷:ちなみに、授業では 「読書を通して浮かんだ疑問が、新たな作品との出会いに繋がったり、文学研究の糸口になったりするかもしれない」という話をして、しめくくりました。 樟次郎: 「読書へのいざない」を 「文学研究へのいざない」に繋げた ところがあざといわけですね。 長谷:「読書」の場合、そこから何を考えるかは自由です。 一方で、「文学研究」の場合、先行研究にはない新しい角度から解釈を加えることや、自説を裏付けるための論証をすることが求められます。 ただし、 「読んで、考えて、何かをみつける」という点では、読書の楽しみと繋がっている気がします。 そこで生まれる「ワクワク感」こそ、学ぶ楽しさなんだと思います。 ……と、語りは尽きませんが(お腹もすいてきたし)そろそろ終わりましょうか。 樟次郎:はーい。

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芥川龍之介の『桃太郎』が面白い!たった3分で昔話との違いを解説します

芥川 龍之介 桃太郎

-あらすじ- おおむかし、世界が始まってから一万年に一度実を付ける、天まで届く大きな 桃の木がありました。 その桃の実の核は、全て赤子をはらんでいました。 桃太郎はその実の一つから生まれると、犬猿雉を家来に鬼退治に行きます。 鬼ヶ島は 楽園のような様子で、穏やかな平和主義の鬼たちが安穏に暮らしていました。 桃太郎は鬼ヶ島に着くと、女子どもを問わず 皆殺しにし、鬼の酋長を降伏させます。 宝と人質を国に持ち帰りますが、 その後の桃太郎の人生は、鬼たちの反撃を絶えず受ける 散々なものでした。 一万年に一度実をつける桃の木は、まだ天才をはらんでいます。 次はいつ、その実を落とすのでしょうか。 天地開闢以来生えている巨大な桃の木の設定。 桃太郎がお爺さんとお婆さんに嫌われている。 鬼退治に行く理由は、山や川や畑へ仕事に出るのがいやだったから。 鬼ヶ島は平和で楽園のような場所。 桃太郎一味が虐殺・陵辱の限りを尽くす。 宝を持ち帰った後、鬼の反逆に合う。 一般的な桃太郎の話とかなり違うことが分かりますね。 これらは全て、芥川版『桃太郎』の 特徴であると言えるでしょう。 こうしてみると、芥川の桃太郎は、善を行う正義のヒーローとして描かれているわけではないようです。 鬼に対しても、 瘤取りの話に出て来る鬼は一晩中踊りを踊っている。 一寸法師の話に出てくる鬼も一身の危険を顧みず、物詣での姫君に見とれていたらしい。 ということから、 鬼は 「平和主 義者で」で「享楽的」な種族だと結論づけています。 たしかに、その意見には説得力があります。 私たちは、「鬼」と聞くと「悪い生き物」だと勝手に想像してしまいます。 芥川版『桃太郎』では、そうした、• 一つの視点からものを見ることの危うさ を、作品から読み取ることができます。 ・ほかの『桃太郎』作品 芥川の『桃太郎』では、桃太郎がヒーローとして描かれていないことが分かりました。 とはいえこうした、• 桃太郎って実は悪い奴なんじゃないか? という提案は珍しいものではなく、芥川よりも前に、あの福沢諭吉も 「桃太郎は悪者だ」と言っています。 また、最近では「2013年度 新聞広告クリエーティブコンテスト」の最優秀賞である、山﨑博司さんもこのテーマを用いています。 下の画像がそのキャッチコピーですが、一時期話題になったので覚えている方もいるかもしれません。 菊池寛• 北原白秋• 尾崎紅葉 といった作家が、再構築に挑んでいます。 菊池寛は、一般的な桃太郎物語をそのまま本にした 普通の桃太郎。 北原白秋は、雰囲気のみを取り出した 詩で、童謡にもなった桃太郞。 尾崎紅葉は、桃太郎が鬼ヶ島から帰ったあとの残された鬼を主人公にし、 「鬼たちの復讐劇」をメインに描いた小説の桃太郞を書いています。 ちなみに物語としては、 尾崎紅葉の『桃太郎』がもっとも読み応えがあります。 おじいさんが桃を食べて若返った『桃太郎』や、女性が川上から流れてきた『桃太郎』など、ほんとうにさまざまです。 また、元をたどれば「吉備津彦命 キビツヒコ 」という人物がモデルになっている、日本古来の 征伐物語だったりもします。 ここでは簡単な紹介にとどめますが、気になった方は調べてみると面白いかもしれません。 むかし、むかし、大むかし、ある深い山の奥に大きい桃の木が一本あった。 大きいとだけではいい足りないかも知れない。 この桃の枝は雲の上にひろがり、この桃の根は大地の底の黄泉の国にさえ及んでいた。 どんぶらこと流れてきた桃が、どこからやってきたのかという問いの答えを、芥川は用意しています。 つまり桃太郞の桃は、ファンタジー感あふれる巨大な桃の木から落ちた桃だったのです。 このように物語の前後を付け足すことで、既存の 物語世界が拡大し、内容にも説得力を持たせることができます。 さらに、最初の一章と最後の六章を桃の木の描写にすることで、物語を両端から閉じるきれいな構成になっています。 芥川の 『蜘蛛の糸』でも全く同じ構成が取られており、芥川の得意な構成だったのかなと考えたりもします。 内容の細かいところで言えば、桃太郎がじいさんとばあさんに嫌われていたという設定も面白いです。 作品全体からほんのりにじみ出ている桃太郎の 孤独が、彼を完全な悪人にさせていない唯一の要素かもしれません。 以上、『桃太郞』のあらすじと考察と感想でした。

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桃太郎

芥川 龍之介 桃太郎

働きたくないから鬼退治へ向かう桃太郎 桃太郎といえば鬼退治だが鬼退治をする理由が、 おじいさんやおばあさんのように働きたくないからだという軽はずみな理由で思い立つ。 それを聞いたおじいさんとおばあさんも、桃太郎の腕白ぶりに愛想をつかしており、鬼退治でも外に出ていくことは内心嬉しかったという。 犬と猿と雉の3匹の仲間を作るきっかけになった「きび団子」をあげるシーンも 1匹に対し、きび団子をひとつではなく、半分にしてあげるという、なんともセコい人柄が伺える。 童話では、立派な人格に大義ある志が宿った桃太郎だけれど、 芥川の手にかかった桃太郎は人間臭く、そこがかえって童話とのギャップが生まれ面白い。 桃太郎に退治された鬼の気持ち 童話の桃太郎は、鬼退治をして、鬼が所持していた金銀財宝を村に持ち帰って、めでたし、めでたし。 というストーリ-だけれど、本編は違う。 平穏に暮らしていた鬼たちに突如、桃太郎に理由もなく退治されてしまう。 命だけは勘弁してもらえた鬼が桃太郎に聞く。 「なぜ私たちを?あなたに何か無礼を?」 桃太郎は「特になく、思い立ったし、仲間もいるから」 といった動機の不純さすらもない動機によって、鬼は生活を奪われてしまう。 それ以後、鬼たちは桃太郎への復讐心を忘れずない。 そして 争いは続く。 人物の背景や立場によって、こうも物語の受け取り方は変わる。 これではどちらが正義かはわからない。 しかし、一面的でなく、物事は二面性を持っているし、それ以上に多面的にみることもできる。 その見方を提示してくれる芥川の桃太郎のほうが、とても童話として読みたかったとすら思う。 ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。 pressnet. html こんな広告コピーがある。 これは、芥川の桃太郎が提示したものに通じる。 物事は多面的である。 聴く読書のすすめ オーディオブックは、耳で聴く本。 ナレーターが本を読み上げてくれるので、目を使わずに読書を楽しめます ・通勤、散歩、家事、就寝前などスキマ時間やながら聞きに ・登録無料の通常会員なら月額0円、お支払いは買いたい時だけ Amazon利用者はこちらがおすすめ Amazon Audible オーディブル は、プロの声優やナレーターが読む音声コンテンツを耳で楽しむサービス。 ビジネス書・自己啓発・小説・洋書・落語・講演など、様々なジャンルがラインアップ。

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